調査・研究/発行物

オリジナル調査

2016年2月9日

「若年層の写真・動画コミュニケーションに関する調査」

10代から20代の若年層を中心に、写真や動画による「ビジュアルコミュニケーション」が活発化しつつあるようです。例えば20代女性の間では、日常生活で必要な情報は『Instagram』の画像検索を通じて入手するという声が多く聞かれたり、10代男女の間では、スマートフォンでショートムービーを撮影・編集・投稿できるアプリ、『MixChannel』がブレイクするなど、今、ネットコミュニケーションの主流が文字からビジュアルへと変わろうとしています。

(株)NTTアドは、若年層における「ビジュアルコミュニケーション」の実態を探るべく、全国16歳から25歳男女を対象に、スマートフォンによるインターネット調査を実施。その結果、男性よりも女性の方が「ビジュアルコミュニケーション」に積極的であることが分かりました。

【調査結果概要】

調査結果に基づき、写真も動画も投稿するユーザーを、「男性ムービー利用派」「女性ムービー利用派」、写真は投稿するが動画の投稿はしないユーザーを「男性フォト限定派」「女性フォト限定派」とカテゴライズ。

■「ビジュアルコミュニケーション」に関連したアプリの利用率

 「女性ムービー利用派」は、『Instagram』『aillis』『MixChannel』の利用率が高く、写真の編集・加工や短い動画の閲覧・投稿に積極的で、幅広く「ビジュアルコミュニケーション」を楽しんでいる。

■写真・動画の投稿方法

 「男性ムービー利用派」は仲間内への投稿において、「女性ムービー利用派」は不特定多数の人への投稿において、作品のクオリティーにこだわる傾向が見られる。

■写真・動画の投稿内容

 「男性ムービー利用派」は、自分自身の姿や特技をアピールし、「女性ムービー派」は、仲間との親密性をアピールする傾向が強い。

■不特定多数の人への写真・動画の投稿により獲得したい印象

「女性ムービー利用派」は、ファッション感度が高いと思われたく、「男性フォト限定派」は、明るいキャラクターに思われたい。

■写真・動画を投稿したいと思わない理由

「女性ムービー利用派」は、不特定多数への投稿の際、写真のクオリティー次第で投稿の有無を判断したり、自慢に思われないよう工夫するなど、「リア充」をアピールしながらも様々なことに気を使っている。一方、「男性ムービー利用派」は、仲間内への投稿の際、全ての人に伝わる内容かなど、様々なことに配慮している。

今回の調査結果から、「ビジュアルコミュニケーション」の牽引役は、「女性ムービー利用派」であることが分かりました。特徴的なポイントとしては、投稿する写真や動画に、仲間との親密性をアピールする内容が多い点が挙げられ、更に、単に「リア充」をアピールするだけではなく、閲覧者への様々な配慮もみられました。今後、彼女たちのように、恋人や仲間といった写真・動画の“ネタ”が豊富で、「ネット上の空気が読める」人たちが若者の「リア充」像となっていくと考えられます。

本調査結果に、企業取材を加え、弊社ならではの視点で考察した調査レポートを『先事新聞vol.36~「ビジュアルコミュニケーション」新潮流』として、無料公開しておりますので是非ご覧ください。

【調査概要】

  • 調査テーマ:若年層の写真・動画コミュニケーションに関する調査
  • 調査対象者の条件:スマートフォン利用者/16歳〜25歳男女計1040サンプル
  • 対象エリア:全国
  • 調査期間:2015年12月23日~24日
  • 調査方法:スマートフォン端末で回答するインターネット調査

【調査結果詳細】

1. 調査対象者が利用している通信キャリア、OS及び職業

対象者のプロフィールグラフ

2. 「ビジュアルコミュニケーション」に関連したアプリの利用率

■全体では「LINE」の利用率が81.0%と最も高く、さらに『Twitter』が58.0%、『YouTube』が51.4%、『Facebook』が35.4%。

■女性ユーザーの『Instagram』の利用率が34.6%、『aillis(写真を編集・加工できるアプリ)』が18.8%と全体に比べて高く、男性よりも写真の編集・加工・共有に積極的 。

現在利用しているサービス(男女比)グラフ

3~5. 写真・動画の投稿頻度

■何らかの写真を投稿しているユーザーの割合は全体で80.8%に上り、若年層の間では一般的な行為と言える。

■「1日に1回以上」写真を投稿する高頻度層の割合は、男性が18.9%、女性が22.2%と女性の方が男性よりも高い。

■「数秒~1分程度」の比較的短い動画を投稿するユーザーの割合は、全体で37.3%であり、写真を投稿するユーザーより少ないものの、かなり浸透している。

■「1週間に1回以上」短い動画を投稿する高頻度層の割合は、男性が22.4%、女性が15.8%と男性の方が女性よりも高い。「1週間に1回以上」長い動画を投稿する高頻度層の割合は、男性18.9%、女性8.8%と、こちらも男性の方 が女性よりも高い。つまり、高頻度層の割合は、写真の投稿については女性の方が、動画の投稿については男性の方が高い傾向にある。

写真の投稿頻度グラフ、短い動画(数秒~1分程度)の投稿頻度グラフ、長い動画(1分以上)の投稿頻度グラフ

6. 調査の分析軸

■写真も動画も投稿するユーザーを「男性ムービー利用派」「女性ムービー利用派」、写真は投稿するが動画の投稿はしないユーザーを「男性フォト限定派」「女性フォト限定派」にカテゴライズ、分析軸とする。

分析軸

7. 4カテゴリーを分析軸としたアプリの利用率

■「男性ムービー利用派」は、『ニコニコ動画』の利用率が28.4%であり、「男性フォト限定派」は、『YouTube』の利用率 が64.2%と全体に比べて高い。

■「女性ムービー利用派」は、『Instagram』の利用率が47.0%、『aillis』が28.0%、『MixChannel』が13.4%と全体に比べて高く、写真の編集・加工や短い動画の閲覧・投稿に積極的で、幅広く「ビジュアルコミュニケーション」を楽しんでいる。

現在利用しているサービス(4カテゴリーの比較)グラフ

8. 不特定多数の人に向けた写真・動画の投稿方法

■全体では、「自分のコメントを付けて投稿する」が59.4%と最も高く、次いで「1つのアプリで編集や加工をして投稿す る」が38.5%、「ハッシュタグ(#)を付けて投稿する」が36.7%と続き、他のユーザーに検索・閲覧されることを意識して投稿していることがうかがえる。

「ムービー利用派」は、「フォト限定派」よりも、全体的に写真や動画を編集・加工する意識が高く、「ビジュアルコミュニケーション」が活発。とりわけ、「女性ムービー利用派」は、「1つのアプリで編集や加工して投稿する」が51.4%、「複数のアプリで編集や加工して投稿する」が48.6%、「アプリ同士を連携させて投稿する」が40.0%と全体に比べて高く、投稿する写真や動画のクオリティーに拘りを持っている。

写真・動画の投稿方法(友人や知人に限らない不特定多数の人)グラフ

9. 仲間グループに向けた写真・動画の投稿方法

■全体では、「自分のコメントを付けて投稿する」が50.8%と最も高く、次いで「作成されたアルバムに投稿する」が42.9%、「1つのアプリで編集や加工して投稿する」が39.7%と続き、仲間内へ投稿する場合はアルバム機能を多用している。

■「男性ムービー利用派」は、「1つのアプリで編集や加工して投稿する」「アプリ同士を連携させて投稿する」が不特定多数の人へ投稿よりも若干高くなることから、仲間内への投稿には手間をかけているようだ。「女性ムービー利用派」は、不特定多数の人への投稿に、「男性ムービー利用派」は、仲間内への投稿にこだわる傾向がある。

写真・動画の投稿方法(友人や知人などの仲間グループ)グラフ

「男性ムービー利用派」の投稿方法の比較

10. 不特定多数の人に向けた写真・動画の投稿内容

■全体では、「訪れた場所での様子を記録した写真や動画」が57.6%と最も高く、次いで「購入した物や贈り物など所 有物を撮影した写真や動画」が52.6%、「共感や感動させられた被写体の写真や動画」が44.9%と続き、思い出の共有やライフログに関連した内容が中心。

■「男性ムービー利用派」は、「自分の特技や技術を撮影した写真や動画」が35.3%、「自分(一人)を撮影した写真や 動画」が34.5%と全体に比べて高く、写真や動画を通じて自分自身の姿や特技を中心にアピールする傾向が強い。

■「女性ムービー派」は、「自分と自分以外の人を一緒に撮影した写真や動画」が57.1%、「自分以外の人を撮影した写真や動画(自分は写らない)」が53.3%と全体に比べて高く、自分自身というよりも、自分の仲間を被写体に投稿。

写真や動画の投稿内容(友人や知人に限らない不特定多数の人)グラフ

11. 仲間グループに向けた写真・動画の投稿内容

■全体では、「自分と自分以外の人を一緒に撮影した写真や動画」が59.5%と最も高く、さらに、「訪れた場所での様子を記録した写真や動画」が56.8%、「自分以外の人を撮影した写真や動画(自分は写らない)」が52.8%と続く。

■「女性フォト限定派」は、「自分と自分以外の人を一緒に撮影した写真や動画」が69.8%,、「自分以外の人を撮影し た写真や動画(自分は写らない)」が59.9%と不特定多数の人に向けた投稿よりも高くなり、仲間の写真はクローズなコミュニティーに限定して投稿するという配慮がうかがえる。

写真や動画の投稿内容(友人や知人などの仲間グループ)グラフ

「女性フォト限定派」の投稿内容の比較

12. 不特定多数の人に向けた写真・動画の投稿により獲得したい印象

■全体では、「楽しいと思ってもらいたい」が38.8%と最も高く、次いで「話のネタになると思ってもらいたい」が30.4%、「センスがあると思ってもらいたい」が22.7%と続く。

■「女性ムービー利用派」は、「センスがあると思ってもらいたい」が34.3%と全体に比べて高く、大勢の人にファッション感度が高いと思われたい。

■「男性フォト限定派」は、「話のネタになると思ってもらいたい」が44.4%と全体に比べて高く、明るいキャラクターに思われたい。

写真・動画の投稿により印象を持ってもらいたい点(友人や知人に限らない不特定多数の人)グラフ

13. 仲間グループに向けた写真・動画の投稿により獲得したい印象

■全体では、「楽しいと思ってもらいたい」が45.6%と最も高く、次いで「話のネタになると思ってもらいたい」が39.5%、「思い出になると思ってもらいたい」が36.1%と続き、「思い出を共有する」ことや「共感される」ことを優先している。

写真・動画の投稿により印象を持ってもらいたい点(友人や知人などの仲間グループ)グラフ

全体の獲得したい印象の比較

14.不特定多数の人に向けて写真・動画を投稿したいと思わない場合の理由

■全体では、「閲覧している人に自分自身の行動が分かってしまうから」が34.2%と最も高く、次いで「閲覧している人にとって自分自身の自慢に見えてしまうから」が31.5%、「自分自身が一人で写っていて照れくさいから」が29.7%と続き、自分の行動が分かってしまうことを最も気にしている。

■「女性ムービー利用派」は、「自分自身が写真や動画をうまく撮影できていないと思うから」が35.2%と全体よりも高く、写真のクオリティー次第で投稿の有無を判断しており、しかも、その他の項目についても高い傾向にあることから、投稿の際に様々なことに配慮している。

写真・動画を投稿したいと思わない場合の理由(友人や知人に限らない不特定多数の人)グラフ

15.仲間グループに向けて写真・動画を投稿したいと思わない場合の理由

■全体では、「閲覧している人にとって自分自身の自慢に見えてしまうから」が30.3%と最も高く、次いで「自分自身が一人で写っていて照れくさいから」が29.6%、「閲覧している人が関係ないと思うから」が25.8%と続き、不特定多数への投稿同様、自慢に思われてしまうことを気にしている。

■「男性ムービー利用派」は、「一部の閲覧している人にしか伝わらないから」が23.3%、「閲覧している人が役に立たないと思うから」が21.2%と全体に比べて高く、仲間への気配りがうかがえる。つまり、「女性ムービー利用派」は、不特定多数の人への投稿に気を使い、「男性ムービー利用派」は、仲間内への投稿に気を使っている。

写真・動画を投稿したいと思わない場合の理由(友人や知人などの仲間グループ)グラフ

以 上