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オリジナル調査

2016年1月12日

「若者の群れる行動に対する意識調査」

最近の「ハロウィーン」では、仮装した若者たちが渋谷に集まり、互いに写真を撮り合ってSNSへアップするという現象が数多く見られました。こうした「みんなで一緒に盛り上がりたい」という志向性が、渋谷の「ハロウィーン」のみならず、「ランニングイベント」や「音楽フェス」など、さまざまなトレンドを生み出しているようです。

(株)NTTアドは、「共通のテーマでみんなと一緒に盛り上がること」を「シブヤ的群衆行動」と規定し、関東圏在住の16歳〜39歳男女を対象にインターネット調査を実施しました。その結果、とりわけ女子学生の参加率が高く、仲間内のみならず、初対面の人とも盛り上がりたいという志向性が強いということが判明しました。

【調査結果概要】

■「シブヤ的群衆行動」参加経験者は、全体の43.7%に上り、女性の割合が高い。

■「シブヤ的群衆行動」参加経験者は、「閉鎖的だけど群れたい派」が多い

参加経験者を、「開放的で群れたい派」「開放的だけど群れたくない派」「閉鎖的だけど群れたい派」「閉鎖的で群れたくない派」の4カテゴリーに分類。「閉鎖的で群れたい派」の割合が最も高く38%。一方、「開放的で群れたい派」は33%で、女性の割合が高く、とりわけ「女性/学生」が全体に比べて高かった。

■女性は「ハロウィーン」や「地元のお祭り」、男性は日本代表戦等のスポーツ系への参加率が高い

「ハロウィーン」等をきっかけとした「シブヤ系」の参加率は、「女性/学生」が全体に比べて高い。「地元のお祭り」等をきっかけとした「ローカル系」の参加率は、「女性/社会人」が全体に比べて高い。「サッカーワールドカップ日本代表戦」等をきっかけとした「スポーツ系」の参加率は、「男性/学生」「男性/社会人」が全体に比べて高い。

■女性は仲間と盛り上がりたい、男性はストレス発散が参加の主目的

「女性/学生」は、一緒に参加した仲間とさらに関係を深めることが主目的。「男性/社会人」は、日常的なストレスから解放されることが主目的。

■「開放的で群れたい派」は、オンライン上のワン・トゥ・ワンやグループ内での情報交換が活発

「開放的で群れたい派」は、フェイス・トゥ・フェイスでの情報交換のみならず、オンライン上でのワン・トゥ・ワンやグループ内での情報交換が活発に行われている。一方、「閉鎖的で群れたくない派」は、オンライン上での情報交換はあまり行われていない。また、「男性/社会人」は、友人からの一次情報のみならず、メディアの二次情報に対するロイヤリティーが高い。

■「開放的で群れたい派」は、ワン・トゥ・ワンや不特定多数とのネットコミュニケーションを上手に使い分ける

「開放的で群れたい派」は、ワン・トゥ・ワンや不特定多数とのネットコミュニケーションを使い分ける。「閉鎖的で群れたくない派」は、LINEやメール等、ワン・トゥ・ワンのネットコミュニケーションに偏る傾向にある。

今回の調査結果から、「シブヤ的群衆行動」とは、自分を「リア充」に見せたい若者たちにとって、極めて効率的なイベントであることが分かりました。「シブヤ的群衆行動」には、「仮装」や「サムライブルーのユニフォーム」など、「共通の記号」が存在しており、それを身に着けた写真をSNSへアップすれば、瞬時にして「リア充」を演出できるようです。

本調査結果に、昨年の「ハロウィーン」の様子や、「音楽フェス」「ランニングイベント」への取材を加え、弊社ならではの視点で考察した調査レポートを『空気読本vol.16~「シブヤ」が欲しい若者たち/今、若者たちの間で広がる「シブヤ的群衆行動」とは?』として、無料公開しておりますので是非ご覧ください。

【調査概要】

  • 調査目的:若者の「群れる」行動に対する意識を明らかにすること
  • 調査対象者の条件:・回収目標サンプル数800サンプル・16歳〜39歳男女(高校生含む)・「シブヤ的群衆行動」参加経験者、未経験者各400サンプル[学生…高校生、予備校生、専門学校生、短期大学生、大学生、大学院生/社会人…会社員、会社役員・管理職、公務員・団体職員、自営業、自由業・専門職、派遣・契約社員、パート・アルバイト、専業主婦・専業主夫、無職、その他]
  • 居住エリア:関東圏(群馬、栃木、茨城、東京、千葉、神奈川)
  • 調査期間:2015年10月28日~29日
  • 調査方法:インターネット調査

【調査結果詳細】

1. 「シブヤ的群衆行動」参加経験者の出現率

■「ハロウィーン」「サッカーワールドカップ日本代表戦」「ランイベント」等、下記枠内の通り、イベントの代表例を挙げ、それをきっかけにお店や路上に集まった経験がある対象者を、「シブヤ的群衆行動」参加経験者とすると、その割合は全体の43.7%に上った。

「シブヤ的群衆行動」参加経験者の出現率グラフ

2. 抽出サンプルの属性

■「シブヤ的群衆行動」参加経験者は女性の割合の方が高い。

■「シブヤ的群衆行動」参加経験者を、「開放的で群れたい派」「開放的だけど群れたくない派」「閉鎖的だけど群れたい派」「閉鎖的で群れたくない派」の4カテゴリーに分類。

「開放的で群れたい派」は、相対的に女性の割合が高く、とりわけ、「女性/学生」が37.4%と全体に比べて高い。「閉鎖的で群れたくない派」は、社会人の割合が高く、とりわけ、「女性/社会人」が42.0%と全体に比べて高い。

抽出サンプルの属性グラフ

3. 「シブヤ的群衆行動」経験者の分類別参加率

■「シブヤ的群衆行動」を、下記の8つに分類。「シブヤ系」への参加率は全体に比べて「群れたい派」の参加率が高い。属性別では、「女性/学生」が44.5%と全体に比べて高く、「ハロウィーン」のコアなメンバーであることが分かる。

■「ローカル系」への参加率は、「開放的だけど群れたくない派」が67.4%と全体に比べて明らかに高く、属性別では、「女性/社会人」が65.8%と全体に比べて高い。「女性/社会人」は、近所の付き合いを重視している。

■「スポーツ系」への参加率は、「開放的だけど群れたくない派」が51.2%と全体に比べて高く、属性別では、「男性/学生」が66.2%、「男性/社会人」が59.1%と、男性が高い。

「シブヤ的群衆行動」経験者の分類別参加率グラフ

4. 「シブヤ的群衆行動」への参加頻度

■「高頻度」層を属性別で見ると、全体に比べて学生が高く、可処分時間の多さが影響している。中でも、「女性/学生」は、「開放的で群れたい派」の割合が高く、さらに「シブヤ系」への参加率も高いことから、「ハロウィーン」等を通じて、仲間内のみならず、初対面の人とも盛り上がりたいという志向性が強いと考えられる。

■「低頻度」を属性別で見ると、「女性/社会人」が65.2%と全体に比べて明らかに高い。「女性/社会人」は、「閉鎖的で群れたくない派」の割合が高く、さらに「ローカル系」への参加率が高いことから、地元での人間関係以外、関心が薄いと考えられる。

「シブヤ的群衆行動」への参加頻度グラフ

5. 「シブヤ的群衆行動」へ一緒に参加する人

■「開放的で群れたい派」は、「同級生(小学校、中学校、高校)」が55.4%と最も高く、さらに、「家族(両親、兄弟姉妹等)」が29.5%と全体に比べて高い。同級生や家族等、極めて身近な人と一緒であることを前提に、「シブヤ的群衆行動」に参加している。

■「男性/学生」は、「大学の友人(学部、学科、サークル等)」が66.2%と最も高く、さらに、「同じ趣味で繋がった人」が19.1%、「SNSやネットサービスで知り合った人」が14.7%と全体に比べて高い。身近で親しい人のみならず、オンライン上で知り合った人とも抵抗感無く参加している。

■「男性/社会人」は、「地元の友人・知人(同級生を除く)」が42.4%と最も高く、さらに、「会社の同僚」が40.9%、「恋人、配偶者」が33.3%、「『何かのイベントや祭事』をきっかけに知り合った人」が18.2%、「飲み会や合コンで知り合った人」が15.2%、「行きつけのお店等で知り合った人やお店の人」が13.6%と全体に比べて高い。あくまでもリアルなシーンで知り合った人と参加している。

「シブヤ的群衆行動」へ一緒に参加する人グラフ

6. 「シブヤ的群衆行動」の認知経路

■「開放的で群れたい派」は、「友人と会って話を聞いて」が44.6%と最も高く、さらに、「ひとりの友人からの連絡(メール、メッセンジャー等)を見て」が30.2%、「仲間内同士でのグループチャット等を通じて」が22.3%と全体に比べて高い。フェイス・トゥ・フェイスでの情報交換だけでなく、オンライン上でのワン・トゥ・ワンやグループ内での情報交換も活発に行われている。

■「閉鎖的で群れたくない派」は、「友人と会って話を聞いて」が46.9%と最も高いが、「ひとりの友人からの連絡(メール、メッセンジャー等)を見て」が17.3%、「仲間同士でのブログ、SNSでの投稿を見て」が9.9%、「仲間同士でのグループチャット等を通じて」が3.7%と全体に比べて低い。フェイス・トゥ・フェイスでの情報交換を重視してはいるものの、オンライン上での情報交換はあまり行っていない。

■「男性/社会人」は、「友人と会って話を聞いて」が59.1%と最も高いが、「ネットのニュースを見て」が27.3%、「テレビのニュースを見て」が19.7%と全体に比べて高く、友人からの一次情報だけでなく、メディアの二次情報に対するロイヤリティーも高い。

「シブヤ的群衆行動」の認知経路グラフ

7. 「シブヤ的群衆行動」へ参加した際の心理

■「開放的で群れたい派」は、「楽しそうだと思ったから」が84.2%と最も高く、さらに、「一緒に参加した友人と盛り上がりたいと思ったから」が50.4%、「思い出を作りたいと思ったから」が49.6%、「一緒に参加した友人と仲を深めたいと思ったから」が27.3%と全体に比べて高く、一緒に参加した仲間と盛り上がることが主目的。また、「その場に居合わせた人と盛り上がりたいと思ったから」が18.7%、「自分の興味があることを誰かと共有したいから」も15.8%と全体に比べて高く、一期一会の人とも楽しみたいという意識も読み取れる。

■「女性/学生」は、「思い出を作りたいと思ったから」が46.0%、「一緒に参加した友人と盛り上がりたいと思ったから」が41.6%と全体に比べて高く、仲間とさらに関係を深めたいと感じている。

■「男性/社会人」は、「非日常を感じたいと思ったから」が13.6%と全体に比べて高く、ストレスから解放されたいという意識が強い。

「シブヤ的群衆行動」へ参加した際の心理グラフ

8. 「シブヤ的群衆行動」へのこだわり

■「開放的で群れたい派」は、「気心の知れた友人と一緒であること」が62.6%と最も高く、さらに、「共通の趣味を持った友人と一緒であること」が41.0%、「共通の趣味を持った人たちと出会えそうなこと」が25.9%、「テーマやコンセプトに共感できること」が24.5%と全体に比べて高く、参加者やイベントのテーマそのものに共感出来るかを重視。

■「女性/学生」は、「エンターテインメント性が高いこと」が21.2%と全体に比べて高く、「シブヤ的群衆行動」に娯楽性を求める傾向が強い。

「シブヤ的群衆行動」へのこだわりグラフ

9. 参加経験者の「渋谷」のイメージ

■「開放的で群れたい派」は、「にぎやかな場所」が79.1%と最も高く、さらに、「流行の最先端」が38.1%、「楽しそうな場所」が32.4%、「エネルギーを感じられる場所」が24.5%、「注目される街」が21.6%と全体に比べて高く、渋谷という街にポジティブな印象を抱いている 。

■「閉鎖的で群れたくない派」は、「住みたくない場所」が34.6%、「近寄りたくない場所」が18.5%と全体に比べて高く、ネガティブな印象が強い。

参加経験者の「渋谷」のイメージグラフ

10. 重視している人間関係

■「開放的で群れたい派」は、「同級生(小学校、中学校、高校)」が79.1%と最も高く、さらに、「同じ趣味で繋がった人」が43.2%、「特定の団体に所属する人(スポーツクラブ、カルチャースクール、フットサルチーム、草野球チーム等)」が15.8%、「何かのイベントや祭事をきっかけに知り合った人」が14.4%、「飲み会や合コンで知り合った人」が12.2%と全体に比べて高い。同級生から、その他のコミュニティーで知り合った人に至るまで、様々なつながりを大切にしている。

■「閉鎖的で群れたくない派」は、「同じ趣味で繋がった人」が18.5%と全体比べて明らかに低く、さらに、「友人の知り合い」が9.9%、「特定の団体に所属する人」が4.9%、「飲み会や合コンで知り合った人」が1.2%、「何かのイベントや祭事をきっかけに知り合った人」が0.0%と全体に比べて低く、人間関係を広げることへの関心が低い。

重視している人間関係グラフ

11. 普段のコミュニケーション手段

■「開放的で群れたい派」は、LINEが87.8%と最も高く、さらに、「メッセンジャー(LINEなど)」が84.2%、「Twitter」が39.6%、「Facebookメッセンジャー」が20.1%、「instagram」が15.1%と全体に比べて高く、ワン・トゥ・ワンや不特定多数とのネットコミュニケーションを上手に使い分けている。

■「閉鎖的で群れたくない派」は、「メール」が42.0%と全体に比べて高く、「Twitter」が21.0%、「Facebook」が19.8%、「Facebookメッセンジャー」が8.6%、「instagram」が3.7%と全体比べて低い。「閉鎖的で群れたくない派」は、LINEとメールによるワン・トゥ・ワンのネットコミュニケーションに偏る傾向が見られ、ソーシャルな属人性を形成するSNSの利活用については消極的。

普段のコミュニケーション手段グラフ

以 上