調査・研究/発行物

先事新聞 vol.34「LINEママ」の多忙な一日

「LINEママ」の多忙な一日

主婦層とは最も多忙な属性の生活者である。とりわけ、有職主婦で未就学児の子供を持つ20代、30代女性は日々多忙を極める。彼女たちは、育児、家事、仕事等、様々な側面で多くのストレスを抱えており、最近では、その日常的な解決策としてLINEが活用されているようだ。ご存じの通りLINEとは、主にスマートフォンなどを通じて、個人間またはグループ内でチャットを楽しむコミュニケーションアプリである。NTTアドの「デジタルコミュニケーション調査」によると、最もLINEの利用率が高い世代は10代男女であるが、次に利用率が高い世代は20代、30代女性である。その中でも、育児が絡む主婦層は、10代男女とは大きく利用方法が異なると予想される。先日実施した有職主婦で未就学児の子供を持つ主婦たちへのグループインタビューの中で、いくつか特徴的な利用方法が散見された。例えば、昼夜を問わず、常時、仲間同士で会話をする10代とは異なり、主婦は子供が寝静まった後の夜間を中心に利用していることが分かった。また、会話内容についても、育児や家族の悩み相談に始まり、美味しいお店の情報交換に至るまで多岐に渡っているようだ。とかく主婦層は、ママ友等、仲間内に対するロイヤリティーが高い層と言われているが、果たしてLINEはどのような位置づけで活用されているのだろうか。今号では、LINEを日常的な解決策として活用する多忙な主婦たちを「LINEママ」と名付け、その利用実態を探るべくインターネット調査を実施することとした。

(1)「LINEママ」の属性

調査対象者は、未就学児から中学生までの子供がいる25歳?39歳の主婦LINEユーザーである。居住エリアは首都圏1都3県または、関西圏2府4県とした。またライフステージごとにLINEの利用実態を把握するため、「有職で子供が未就学児の主婦」「有職で子供が小中学生の主婦」「専業で子供が未就学児の主婦」「専業で子供が小中学生の主婦」の4つにカテゴライズし、これらを集計軸として調査を進めることとした(以下、「有職主婦・未就学児」「有職主婦・小中学生」「専業主婦・未就学児」「専業主婦・小中学生」とする)。  まず、「有職主婦」の職業的な属性であるが、「有職主婦・未就学児」層の雇用形態は、概ね「正社員」と「パート・アルバイト」に2分されており、「有職主婦・小中学生」層は、「パート・アルバイト」が大半を占めている(グラフ1)。尚、「正社員」に関しては、現時点で働いている者と休職中の者が含まれている。また、「未就学児」の子供を持つ主婦層の育児状況だが、「有職主婦・未就学児」層は、「託児所や保育園、幼稚園などに通園している」がボリュームゾーンとなっており、「専業主婦・未就学児」層は「通園も託児もしていない」がボリュームゾーンとなっている(グラフ2)。これらの属性を踏まえながら、「LINEママ」たちの利用実態を探っていく。

調査仕様 1.調査内容ママ世代のLINE(無料音声アプリ)ユーザーの利用実態とコミュニケーションの実態をライフステージ別に探る 2.LINEユーザー(ママ世代)620サンプル 表 合計620ss 全体620 有職主婦372 専業主婦248 子供有(未就学児)全体372 有職主婦248 専業主婦124 子供有(小・中学生)全体248 有職主婦248 専業主婦124 注釈 未婚者については比較、対照のための調査対象者とする 対象者条件 注釈 LINEの利用者(アカウント所有者) 子供有については、中学生までの子供がいある母親とする 年齢は、25際~39際までとする 有職者については、正社員・契約社員・派遣社員・自営業・自由業・パート・アルバイトとする(休業を含む) 首都圏(1都3県)または、関西圏(2府4県)在住者 子供が「未就学児」と「小・中学生」の場合は、「未就学児」を優先とし、回収する
グラフ1 「LINEママ」の職業的な属性 全体620 公務員2.7 正社員20.8 契約社員・派遣社員4.4 自営業自由業1.6 パート・アルバイト30.5。 有職主婦・未就学児248 公務員5.6 正社員47.2 契約社員・派遣社員8.0 自営業自由業2.8 パート・アルバイト36.3。 有職主婦・小中学生124 公務員2.4 正社員9.7 契約社員・派遣社員5.6 自営業自由業2.4 パート・アルバイト79.8。 専業主婦・未就学児124 パート・アルバイト100.0。 専業主婦・小中学生124 パート・アルバイト100.0。
グラフ2 未就学児の育児状況 託児所や保育園、幼稚園などに通園している 全体52.7 有職主婦・未就学児64.5 専業主婦・未就学児29.0 父母やベビーシッターなど特定の人に面倒を見てもらうことがある 全体12.1 有職主婦・未就学児12.9 専業主婦・未就学児10.5 通園も託児もしていない 全体39.2 有職主婦・未就学児27.8 専業主婦・未就学児62.1。
(2)「LINEママ」の利用歴

まず、「LINEママ」たちのLINEの利用歴を尋ねてみた。全体では、「2年以上」と回答した人の割合が55.8%と過半数に上っており、ヘビーユーザーの傾向が見られる(グラフ3)。中でも「有職主婦・未就学児」層の「2年以上」と回答した人の割合は61.3%と全体に比べてやや高く、とりわけリテラシーが高いと言えよう。また、「有職主婦・小中学生」層の「1年以上2年未満」と回答した人の割合は、全体に比べて明らかに高く、利用歴の浅い人の割合が高いことから、PTA等、学校関連コミュニティーへの参加をきっかけに利用し始めた人が多いようだ。

グラフ3 LINE利用歴 全体620 1年未満15.3 1年以上2年未満28.9 2年以上55.8 有職主婦・未就学児248 1年未満14.1 1年以上2年未満24.6 2年以上61.3 全体に対して+5ポイント以上 有職主婦・小中学生124 1年未満17.7 1年以上2年未満37.9 全体に対して+5ポイント以上 2年以上44.4 全体に対して-5ポイント以上 専業主婦・未就学児124 1年未満13.7 1年以上2年未満28.2 2年以上58.1 専業主婦・小中学生124 1年未満16.9 1年以上2年未満29.0 2年以上54.0.
(3)「LINEママ」の1日の平均利用時間

続いて、「LINEママ」たちのLINEの1日の平均利用時間を尋ねてみた(グラフ4)。全体では、約7割が「1時間未満」と回答しており、効率的に利用していることが分かる。一方、「有職主婦・未就学児」層の「1?3時間」と回答した人の割合は、全体に比べてやや高く、恐らく育児に関する悩み相談や情報交換が頻繁に行われていると予想出来る。

グラフ4 1日平均のLINE利用時間 全体620 1時間未満73.4 1~3時間未満20.8 3~5時間未満4.2 5~10時間未満 1.6 有職主婦・未就学児248 1時間未満68.5 1~3時間未満26.5 3~5時間未満4.0 5~10時間未満 0.8 有職主婦・小中学生124 1時間未満78.2 1~3時間未満15.3 3~5時間未満4.0 5~10時間未満2.4 専業主婦・未就学児124 1時間未満76.6 1~3時間未満19.4 3~5時間未満3.2 5~10時間未満 0.8 専業主婦・小中学生124 1時間未満75.0 1~3時間未満16.1 3~5時間未満5.6 5~10時間未満3.2
(4)「LINEママ」の利用時間帯

「LINEママ」たちにLINEの利用時間帯について尋ねてみた(グラフ5)。全体では、約6割が18時以降を主な利用時間としており、2割前後が深夜近くまで利用している。グループインタビューの中でも聞かれたが、旦那さんの愚痴がヒートアップしてしまい、夜通しチャットが続くことも少なくないらしい。一方、「有職主婦」と「専業主婦」で比較すると、「有職主婦」は18時以降のオフタイム、「専業主婦」は18時までのデイタイムが主な利用時間帯であるようだ。「有職主婦・小中学生」層の「18時?21時」と回答した人の割合は43.5%と全体に比べて明らかに高く、夕食後がゴールデンタイムだ。一方、「専業主婦」の利用時間帯は分散する傾向にあり、育児や家庭のスキマ時間を上手に活用しているようだ。

LINEの利用時間帯についてその理由を尋ねてみた(グラフ6)。全体では、「家事がひと段落する時間帯だから」が68.4%と最も高く、さらに「育児がひと段落する時間帯だから」37.6%と続く。「未就学児」の子供を持つ主婦層の「育児がひと段落する時間帯だから」と回答した人の割合は全体平均に比べて明らかに高く、育児の合間を縫って利用時間を捻出していることが分かる。また、「小中学生」の子供を持つ主婦層の「ひとりになれる時間帯だから」と回答した人の割合は、全体に比べてやや高く、子供の年齢層が高い分、利用時間が不規則になりがちと言えよう。

グラフ5 LINE利用時間帯 全体 0~6時0.3 6~9時2.1 9~12時9.0 12~15時14.4 15~18時16.9 18~21時34.2 21~24時23.1 有職主婦・未就学児 0~6時0 6~9時1.6 9~12時7.7 12~15時13.3 15~18時13.3 18~21時37.9 21~24時26.2 有職主婦・小中学生 0~6時0 6~9時3.2 9~12時3.2 12~15時4.0 15~18時21.0 18~21時43.5 21~24時25.0 専業主婦・未就学児 0~6時0.8 6~9時0.8 9~12時12.9 12~15時25.8 15~18時18.5 18~21時23.4 21~24時17.7 専業主婦・小中学生 0~6時0.8 6~9時3.2 9~12時13.7 12~15時15.3 15~18時18.5 18~21時28.2 21~24時20.2
グラフ6 利用時間帯の理由 家事がひと段落する時間帯だから 全体68.4 有職主婦・未就学児65.3 有職主婦・小中学生62.1 専業主婦・未就学児71.0 専業主婦・小中学生78.2 仕事がひと段落する時間帯だから 全体15.0 有職主婦・未就学児20.2 有職主婦・小中学生31.5 専業主婦・未就学児0.8 専業主婦・小中学生2.4 育児がひと段落する時間帯だから 全体37.6 有職主婦・未就学児56.9 有職主婦・小中学生8.1 専業主婦・未就学児51.6 専業主婦・小中学生14.5 ひとりになれる時間帯だから 全体22.3 有職主婦・未就学児20.2 有職主婦・小中学生27.4 専業主婦・未就学児16.1 専業主婦・小中学生27.4 その他 全体3.4 有職主婦・未就学児4.0 有職主婦・小中学生2.4 専業主婦・未就学児4.8 専業主婦・小中学生1.6
(5)「LINEママ」が利用している機能

続いて、普段利用しているLINEの機能について尋ねてみた(グラフ7)。全体では、「スタンプ機能」が94.5%と最も高く、さらに「1対1のテキストによる会話」87.7%、「複数人でのテキストによる会話」71.8%と続く。「有職主婦・未就学児」層の「複数人でのテキストによる会話」「画像・動画・音声情報の送信」「LINE IDによる検索」「『知り合いかも?』機能」「QRコードによる連絡先交換」の利用率は全体に比べてやや高く、1対1同士の会話のみならず、ママ友をはじめ、不特定多数との会話にも積極的に参加しており、しかも様々な機能を使いこなしていることが分かる。一方、「専業主婦・小中学生」層の「複数人でのテキストによる会話」「画像・動画・音声情報の送信」の利用率は全体に比べて明らかに低く、比較的、不特定多数との会話に消極的で、1対1での会話を好む傾向にあると言えよう。また、「未就学児」の子供を持つ主婦層の「画像・動画・音声情報の送信」の利用率は、全体に比べて明らかに高く、まだ子供が小さいせいか、写真や動画のやりとりが活発と予想される。

グラフ7 利用しているLINEの機能 スタンプ機能 有職主婦・未就学児94.0 有職主婦・小中学生95.2 専業主婦・未就学児96.0 専業主婦・小中学生93.5 全体94.5 1対1のテキストによる会話 有職主婦・未就学児91.1 有職主婦・小中学生90.3 専業主婦・未就学児81.5 専業主婦・小中学生84.7 全体87.7 複数人でのテキストによる会話 有職主婦・未就学児79.0 有職主婦・小中学生66.9 専業主婦・未就学児75.8 専業主婦・小中学生58.1 全体71.8 ブロック機能 有職主婦・未就学児72.2 有職主婦・小中学生75.8 専業主婦・未就学児67.7 専業主婦・小中学生68.5 全体71.3 画像・動画・音声情報の送信 有職主婦・未就学児76.2 有職主婦・小中学生65.3 専業主婦・未就学児79.8 専業主婦・小中学生51.6 全体69.8 トーク履歴 有職主婦・未就学児60.9 有職主婦・小中学生69.4 専業主婦・未就学児63.7 専業主婦・小中学生59.7 全体62.9 アドレス帳による自動登録 有職主婦・未就学児58.1 有職主婦・小中学生62.1 専業主婦・未就学児58.1 専業主婦・小中学生50.0 全体57.3 グループチャット 有職主婦・未就学児52.4 有職主婦・小中学生56.5 専業主婦・未就学児57.3 専業主婦・小中学生44.4 全体52.6 無料音声通話 有職主婦・未就学児51.6 有職主婦・小中学生50.0 専業主婦・未就学児54.0 専業主婦・小中学生40.3 全体49.5 LINE IDによる検索 有職主婦・未就学児53.6 有職主婦・小中学生40.3 専業主婦・未就学児53.2 専業主婦・小中学生41.9 全体48.5 「ふるふる」での連絡先交換 有職主婦・未就学児48.0 有職主婦・小中学生53.2 専業主婦・未就学児36.3 専業主婦・小中学生44.4 全体46.0 ホーム・タイムライン 有職主婦・未就学児43.1 有職主婦・小中学生47.6 専業主婦・未就学児50.0 専業主婦・小中学生42.7 全体45.3 「知り合いかも?」機能 有職主婦・未就学児51.2 有職主婦・小中学生37.9 専業主婦・未就学児47.6 専業主婦・小中学生37.1 全体45.0 メールアドレスの登録 有職主婦・未就学児39.9 有職主婦・小中学生49.2 専業主婦・未就学児40.3 専業主婦・小中学生47.6 全体43.4 ゲーム 有職主婦・未就学児39.5 有職主婦・小中学生47.6 専業主婦・未就学児36.3 専業主婦・小中学生54.0 全体43.4 LINE電話 有職主婦・未就学児41.5 有職主婦・小中学生31.5 専業主婦・未就学児42.7 専業主婦・小中学生46.0 全体40.6 LINEIDにより検索されることを許可 有職主婦・未就学児43.1 有職主婦・小中学生33.9 専業主婦・未就学児45.2 専業主婦・小中学生36.3 全体40.3 QRコードによる連絡先交換 有職主婦・未就学児40.7 有職主婦・小中学生38.7 専業主婦・未就学児28.2 専業主婦・小中学生27.4 全体35.2 パスコードロック 有職主婦・未就学児27.8 有職主婦・小中学生27.4 専業主婦・未就学児17.7 専業主婦・小中学生23.4 全体24.8 ビデオ電話 有職主婦・未就学児17.3 有職主婦・小中学生5.6 専業主婦・未就学児21.0 専業主婦・小中学生12.9 全体14.8 他SNSとの連携 有職主婦・未就学児8.1 有職主婦・小中学生6.5 専業主婦・未就学児4.8 専業主婦・小中学生3.2 全体6.1 他SNSアカウントでのログイン 有職主婦・未就学児7.7 有職主婦・小中学生0.8 専業主婦・未就学児3.2 専業主婦・小中学生3.2 全体4.5
(6)グループチャットにおけるグループ分けについて

次に、グループチャットにおけるグループの種類について尋ねてみた(グラフ8)。全体では、「自分の学生時代の同級生や部活動、サークルなどの知り合い」が72.1%と最も高く、さらに「子供を通しての知り合い」52.5%、「自分の仕事関係の知り合い」35.9%、「配偶者や両親、その他親戚」31.0%、「現在住んでいる地域での知り合い」21.2%となっている。「専業主婦・小中学生」層の「子供を通しての知り合い」と回答した人の割合は72.7%と全体に比べて明らかに高く、PTA等、学校関連のコミュニティーへの関与度の高さがうかがえる。また、「有職主婦・未就学児」層の「配偶者や両親、その他親戚」と回答した人の割合は40.0%と全体に比べて明らかに高く、まだ子供が小さく、育児と仕事の両立が大変な分、配偶者や両親と密接に関わっていると思われる。「有職主婦・小中学生」層の「自分の仕事関係の知り合い」と回答した人の割合は62.9%と全体平均に比べて明らかに高く、子供が大きくなったことで時間的かつ気持ち的な余裕が生まれたせいか、子供関係のみならず、仕事関係の知り合いともコミュニケーションを両立させている。

さらに、各々人間関係のグループ数はどれだけあるのかを尋ねてみた(グラフ9)。全体では、「1?5」個がボリュームゾーンとなっており、とかくグループ数が多いとされる10代ユーザーに比べて少ない傾向にある。さらに、各々のグループで登録されている友達の数を尋ねてみると、「2?5人」がボリュームゾーンであり、全体的にグループ数はコンパクトに整理されているようだ(グラフ10)。

さらに、グループ内の人間関係を検証するため、複数のグループに重複して登録している友達の数を尋ねてみた(グラフ11)。とかく10代ユーザーは、「○○ちゃんのいるグループ、いないグループ」等、些細な構成メンバーの違いでグループが増やす傾向にある。一方、「LINEママ」では、複数のグループに重複して登録されている友達が「少ない」「やや少ない」と回答した人の割合が59.5%であり、とりわけ「専業主婦・小中学生」層は69.1%と高い。「LINEママ」たちの人間関係はある程度区分けされており、会話を機能的に使い分けていると言えよう。

グラフ8 グループチャットのグループ分け 自分の学生時代の同級生や部活動、サークルなどの知り合い 全体72.1 有職主婦・未就学児73.8 有職主婦・小中学生62.9 専業主婦・未就学児85.9 専業主婦・小中学生61.8 自分の仕事関係の知り合い 全体35.9 有職主婦・未就学児40.0 有職主婦・小中学生62.9 専業主婦・未就学児16.9 専業主婦・小中学生16.4 現在住んでいる地域での知り合い 全体21.2 有職主婦・未就学児16.9 有職主婦・小中学生25.7 専業主婦・未就学児12.7 専業主婦・小中学生36.4 子供を通しての知り合い 全体52.5 有職主婦・未就学児43.8 有職主婦・小中学生55.7 専業主婦・未就学児49.3 専業主婦・小中学生72.7 配偶者や両親、その他親戚 全体31.0 有職主婦・未就学児40.0 有職主婦・小中学生20.0 専業主婦・未就学児28.2 専業主婦・小中学生27.3
グラフ9 グループ数 自分の学生時代の同級生や部活動、サークルなどの知り合い1~5 77.4 6~10 15.3 11以上7.2 自分の仕事関係の知り合い1~5 84.6 6~10 12.0 11以上3.4 現在住んでいる地域での知り合い1~5 87.0 6~10 8.7 11以上4.3 子供を通しての知り合い1~5 81.9 6~10 8.8 11以上9.3 配偶者や両親、その他親戚1~5 89.1 6~10 8.9 11以上2.0
グラフ10 グループの平均友だち数 自分の学生時代の同級生や部活動、サークルなどの知り合い2~5人 54.5 6~10人 28.5 11~20人10.2 21人以上6.8 自分の仕事関係の知り合い2~5人 60.7 6~10人 30.8 11~20人7.7 21人以上0.9 現在住んでいる地域での知り合い2~5人 73.9 6~10人 15.9 11~20人5.8 21人以上4.3 子供を通しての知り合い2~5人 55.6 6~10人 21.1 11~20人16.4 21人以上7.0 配偶者や両親、その他親戚2~5人 80.2 6~10人 16.8 11~20人3.0 21人以上0 
グラフ11 グループ重複して登録されている友達 全体 多い11.0 やや多い11.7 半分くらい17.8 やや少ない18.4 少ない41.1 有職主婦・未就学児 多い9.2 やや多い10.0 半分くらい18.5 やや少ない20.0 少ない42.3 有職主婦・小中学生 多い15.7 やや多い8.6 半分くらい22.9 やや少ない14.3 少ない38.6 専業主婦・未就学児 多い12.7 やや多い18.3 半分くらい15.5 やや少ない15.5 少ない38.0 専業主婦・小中学生 多い7.3 やや多い10.9 半分くらい12.7 やや少ない23.6 少ない45.5
(7)「LINEママ」の(会話やチャットの)テキストメッセージでの話題

では、「LINEママ」たちは、テキストによってどのような会話を交わしているのだろうか(グラフ12)。全体では、「近況報告」が70.0%と最も高く、さらに「友人知人との約束や連絡手段」64.1%、「家族同士の連絡」48.6%、「育児に関する話題」44.6%、「配偶者や家族に関する話題」41.0%と続く。「未就学児」の子供を持つ主婦層の「育児に関する話題」と回答した人の割合は全体に比べて明らかに高く、LINEが育児ストレス発散の場になっているようだ。また、「有職主婦・未就学児」層の「近況報告(仕事以外)」「配偶者や家族に関する話題」「仕事に関する話題「地域のお店や施設に関する話題」と回答した人の割合は全体に比べてやや高く、育児ストレスの発散のみならず、多岐に渡って情報交換が行われているようだ。一方、「専業主婦・小中学生」層の「近況報告(仕事以外)」「配偶者や家族に関する話題」と回答した人の割合は全体に比べて明らかに低く、尚かつ「友人知人との約束や連絡手段」が最も高いことから、LINEをストレス発散の場と捉えるよりも、単なる連絡手段と捉える傾向が強い。

グラフ12 (会話やチャットの)テキストメッセージの話題 金城報告(仕事以外) 有職主婦・未就学児78.8 有職主婦・小中学生63.2 専業主婦・未就学児72.0 専業主婦・小中学生56.5 全体70.0 友人知人との約束や連絡手段 有職主婦・未就学児65.0 有職主婦・小中学生55.6 専業主婦・未就学児72.0 専業主婦・小中学生62.6 全体64.1 家族同士の連絡 有職主婦・未就学児52.9 有職主婦・小中学生39.3 専業主婦・未就学児52.5 専業主婦・小中学生45.2 全体48.6 育児に関する話題 有職主婦・未就学児55.8 有職主婦・小中学生24.8 専業主婦・未就学児57.6 専業主婦・小中学生27.8 全体44.6 配偶者や家族に関する話題 有職主婦・未就学児49.2 有職主婦・小中学生32.5 専業主婦・未就学児43.2 専業主婦・小中学生30.4 全体41.0 趣味に関する話題 有職主婦・未就学児27.9 有職主婦・小中学生29.9 専業主婦・未就学児22.9 専業主婦・小中学生22.6 全体26.3 仕事に関する話題 有職主婦・未就学児30.0 有職主婦・小中学生38.5 専業主婦・未就学児1.7 専業主婦・小中学生7.8 全体21.7 グルメ・料理・食べ物に関する話題 有職主婦・未就学児21.3 有職主婦・小中学生13.7 専業主婦・未就学児15.3 専業主婦・小中学生11.3 全体16.6 ショッピングに関する話題 有職主婦・未就学児12.5 有職主婦・小中学生10.3 専業主婦・未就学児16.1 専業主婦・小中学生8.7 全体12.0 地域のお店や施設に関する話題 有職主婦・未就学児15.8 有職主婦・小中学生6.0 専業主婦・未就学児7.6 専業主婦・小中学生8.7 全体10.8 ファッションに関する話題 有職主婦・未就学児10.0 有職主婦・小中学生5.1 専業主婦・未就学児10.2 専業主婦・小中学生5.2 全体8.1 地域の医療や福祉に関する話題 有職主婦・未就学児7.1 有職主婦・小中学生5.1 専業主婦・未就学児5.1 専業主婦・小中学生6.1 全体6.1 時候の話題や1日の挨拶 有職主婦・未就学児5.4 有職主婦・小中学生2.6 専業主婦・未就学児6.8 専業主婦・小中学生4.3 全体4.9 社会的に大きなニュースや出来事に関する話題 有職主婦・未就学児3.8 有職主婦・小中学生4.3 専業主婦・未就学児1.7 専業主婦・小中学生3.5 全体3.4
(8)「LINEママ」のLINEに対する意識

「LINEママ」たちにLINEに対する意識を尋ねてみた(グラフ13)。全体では、LINEを通じたコミュニケーションの効率性、楽しさが理解されており、人間関係を維持する上で必要なツールと認識されているようだ。しかし、子供の年齢層によって若干差が見られ、「小中学生」の子供を持つ主婦層は、業務連絡の手段と認識しており、その他の機能をそれほど評価していない。一方、「未就学児」の子供を持つ主婦層は、LINEの効率性や楽しさ、またストレス発散出来るツールとして評価しており、ポジティブに捉えている。つまり、「LINEママ」の牽引役とは、「有職主婦・未就学児」層を中心とした多忙な主婦層であり、時間やお金を効率的に消費したいと考えている主婦層と言える。

グラフ13 LINEに対する意識 LINEは、友人知人と頻繁にコミュニケーションできて楽しい 有職主婦・未就学児67.7 有職主婦・小中学生61.3 専業主婦・未就学児68.5 専業主婦・小中学生64.5 全体66.0 LINEは、時間や場所を問わずにコミュニケーションできて効率的 有職主婦・未就学児68.5 有職主婦・小中学生54.0 専業主婦・未就学児67.7 専業主婦・小中学生63.7 全体64.5 LINEは、友人や知人とのつながりを維持するために必要 有職主婦・未就学児62.9 有職主婦・小中学生50.0 専業主婦・未就学児65.3 専業主婦・小中学生54.0 全体59.0 LINEは、業務連絡の手段になっている 有職主婦・未就学児57.7 有職主婦・小中学生64.5 専業主婦・未就学児52.4 専業主婦・小中学生50.8 全体56.6 LINEは、安全性(個人情報や本人確認など)に不安がある 有職主婦・未就学児56.5 有職主婦・小中学生54.8 専業主婦・未就学児62.1 専業主婦・小中学生43.5 全体54.7 LINEと他のSNS(Facebook、Twitter、mixiなど)は使い分けしている 有職主婦・未就学児58.5 有職主婦・小中学生41.1 専業主婦・未就学児57.3 専業主婦・小中学生47.6 全体52.6 LINEは、時間を節約できて効率的 有職主婦・未就学児50.8 有職主婦・小中学生49.2 専業主婦・未就学児50.8 専業主婦・小中学生49.2 全体50.2 LINEは、時間がない忙しい人に適している 有職主婦・未就学児45.6 有職主婦・小中学生44.4 専業主婦・未就学児42.7 専業主婦・小中学生30.6 全体41.8 LINEは数多くの人とコミュニケーションできるので、人間関係が広がる 有職主婦・未就学児44.4 有職主婦・小中学生35.5 専業主婦・未就学児40.3 専業主婦・小中学生33.1 全体39.5 LINEを通して、新しい情報が得られることが多い 有職主婦・未就学児40.3 有職主婦・小中学生31.5 専業主婦・未就学児37.9 専業主婦・小中学生41.1 全体38.2 LINEをしていると、時間が経つのを忘れてしまう 有職主婦・未就学児27.8 有職主婦・小中学生21.0 専業主婦・未就学児25.0 専業主婦・小中学生29.8 全体26.3 LINEがあれば、他のSNS(Facebook、Twitter、mixiなど)はいらない 有職主婦・未就学児23.4 有職主婦・小中学生25.0 専業主婦・未就学児31.5 専業主婦・小中学生24.2 全体25.5 リアルではないLINEの人間関係は、希薄なものになりがち 有職主婦・未就学児23.4 有職主婦・小中学生25.8 専業主婦・未就学児33.1 専業主婦・小中学生21.0 全体25.3 LINEは疲れる 有職主婦・未就学児23.8 有職主婦・小中学生29.0 専業主婦・未就学児23.4 専業主婦・小中学生25.8 全体25.2 LINEでのやり取りが、ストレス発散になっている 有職主婦・未就学児29.0 有職主婦・小中学生19.4 専業主婦・未就学児25.0 専業主婦・小中学生19.4 全体24.4 LINRに、生活をしばられていると感じるときがある 有職主婦・未就学児21.8 有職主婦・小中学生22.6 専業主婦・未就学児16.1 専業主婦・小中学生25.8 全体21.6 LINEは、深くコミュニケーションできて、深い人間関係が築ける 有職主婦・未就学児26.2 有職主婦・小中学生13.7 専業主婦・未就学児14.5 専業主婦・小中学生20.2 全体20.2 LINEは、スケジュールの管理便利 有職主婦・未就学児16.5 有職主婦・小中学生10.5 専業主婦・未就学児12.1 専業主婦・小中学生12.9 全体13.7 LINEのグループの中に、抜けたいグループがある 有職主婦・未就学児14.1 有職主婦・小中学生12.9 専業主婦・未就学児12.9 専業主婦・小中学生12.1 全体13.2 LINEは、そろそろやめたいと思う 有職主婦・未就学児6.5 有職主婦・小中学生7.3 専業主婦・未就学児4.0 専業主婦・小中学生8.1 全体6.5

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[INTERVIEW]「LINEママ」3人へのグループインタビュー

1.「多方面コミュニティ形成」派
「井戸端会議」的に、会話しながら情報共有

Aさん
【プロフィール】

34歳。子どもは2人。3歳で保育園に通う女の子と、1歳で、4月から保育園に通う予定の男の子。IT関連企業に勤務。1年4か月の育児休暇を経て、この4月から職場復帰の予定。


■LINEグループの数・種類などについて

「LINEのグループは、すべてママ友関連ですね。『会社のママ友』『保育園のママ友』『私が主催していたワークショップのママ友』『上の娘の近所のママ友』『下の息子の近所のママ友』など、8つのグループを作っています。『近所のママ友』でも、上の娘と下の息子では、メンバーが重ならないんです。それぞれ別のママとやりとりしていますね」

■コミュニケーションの内容について

「会話の内容は、それぞれのグループで少しずつ違います。『会社のママ友』とは、近況報告や自分たち自身のことを話すことが多いです。『保育園のママ友』とは、周辺の医療機関の情報とか、近所で事件があったこととか、遊び場所のおススメなどを話します。『ご近所のママ友』とは、遊びに行こうとか、ランチ会とか、主にお出かけの相談です。来週は、四谷にある『東京おもちゃ館』に行く予定なんですよ」

■コミュニケーションする時間帯・スタイルなどについて

「午前中と夜、子どもが寝たあとの9時から12時くらいまでが活発にやりとりする時間ですね」

■子育てにLINEを活用しての印象

「LINEをはじめておよそ1年。子どもを持ったことがきっかけです。だから、全部『子どもありき』の会話です。会話の中でいい情報が得られればラッキーですし、こちらも情報提供できればいいですし。『井戸端会議』のような感じで、気軽に、楽しく使っています」

2.「スキマ時間活用」派
育児や家事の合間に、友だちと近況を伝え合う

Bさん
【プロフィール】

28歳。1歳9か月の子どもを週5で保育園に預けながら、時短で勤務中。夫は仕事の関係で帰りの時間が遅くなることが多く、保育園への送り迎えは、ほとんどBさん自身が行っているそう。


■LINEグループの数・種類などについて

「9グループ作っていますが、そのうち2つがママ友関連。あとは高校の友だちや大学のサークル、会社の連絡ツールなどですね」

■コミュニケーションの内容について

「サークルの同期で、子どもがいるのは私だけなんです。1人が結婚していて、独身が3人。だからみんな、『今度いつ遊ぶ?』なんて相談しています。29歳になるから『ニクの会』を開こうとか、ディズニーランドに行こうとか。子どものいる私はあまり参加できないのですが、活発にやりとりしているのを、家事や育児をしながら横目で見て、けっこう楽しんでいます。ママ友関連のグループには、時には悩み事も相談します。といっても『お風呂のおもちゃの収納って、どうしてますか?』のような軽い悩みですけど。重い相談やグチは、グループチャットでは言わないです。そういうことは、ダンナに話しますね(笑)」

■コミュニケーションする時間帯・スタイルなどについて

「朝は会社の業務連絡がメインで、ママ友とは夜やりとりすることが多いですね。午後10時ごろになると家事や育児が一段落するので、そこから12時頃まで、洗濯物をたたんだり、アイロンがけしたりしながらやりとりしています」

■子育てにLINEを活用しての印象

「LINEは、連絡事項やスケジュールなど必要な情報をやりとりするメールのような役割の他に、他愛もないことをコミュニケーションするチャット的な役割もあって、楽しく子育てするのに役立っています。あと、起きた出来事や思いついたこと、どこかで見つけた店や場所などを記録しておくメモのような使い方もしていますね」

3.「子どもをテーマに情報発信」派
LINEを通じて、みんなにわが子をかわいがってもらう感覚

Cさん
【プロフィール】

36歳。1歳半の女の子を育てながら、毎日13時半から3時間、在宅で仕事をしている。


■LINEグループの数・種類などについて

「LINEはよく使いますが、グループはあまり作らず、一人ひとりと個別につながることが多いですね。ただ、前職(子ども服販売)の仲間が子ども服を送ってくれるので、お礼も兼ねて、もらった服を着た娘の写真を送るためのグループ、それから、自分の親や親戚に写真で成長を伝えるためのグループの2つは、作っています」

■コミュニケーションの内容について

「LINEとFacebookの両方を使って、娘と自分の近況報告をしています。買ったものや行った場所についての感想と、子どもの写真とを一緒にアップします。そうすると、つながっているママ友から『どこで売ってるの?』と、反応が返ってくる時があるんです。時には育児の困り事やグチなど、ネガティブなことも投稿します。するとみんなから意見が返ってくる。たぶん、私が困っていることは、みんなも困っていることなんじゃないでしょうか。口火を切ると、みんな乗ってきてくれるんですよ。だから、みんな言いづらかったりオープンにしたがらないけど、ネガティブな情報でも、あえてさらすようにしています。すると、会話が広がるんです」

■コミュニケーションする時間帯・スタイルなどについて

「毎晩、22時から24時までの2時間くらいの間に、よくやりとりしていますね」

■子育てにLINEを活用しての印象

「LINEを通じて、わが子をみんなにかわいがってもらっている、と感じています。また、自分の気持ちを吐露することでスッキリできるし、みんなから共感を得て、さらにアドバイスをもらえれば、子育てのネガティブな部分もポジティブに変換できる。そういう意味で、楽しいものだと思っています」

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「先事新聞」コラム
第12回 失敗を成功に変える“失敗力”が未来を創る

「普通の笑いを作りたいんじゃない。僕、時代を作りたいんですよ」
何やら勇ましい言葉である。だが、これは成功者の弁ではない。かつて自分たちがレギュラー10本を抱え、売れに売れていた時代を振り返っての“反省の弁”である。
 発言の主はオリエンタルラジオのあっちゃんこと中田敦彦。その言葉は、バラエティ番組『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)で紹介されたものである。
 番組は、毎回各界から著名人を先生に迎え、かつての“しくじり”を反面教師として語ってもらうという趣旨。オリラジの2人は栄えあるレギュラー第1回の先生で、売れっ子時代、すっかり天狗と化した中田は、会議の場で並み居る作家陣を前に、冒頭の言葉で啖呵を切ったという。 だが、それから間もなくオリラジは全てのレギュラーを失う。天狗となり、周囲の声が聞こえなくなった2人への痛いしっぺ返しだった。
 そして今、地道に芸を磨き直した2人は、かつての鉄板ネタ「武勇伝」が再評価されるなど、再び芸能界での地位を築きつつある。天狗時代と違うのは、かつての失敗を笑いに転じる余裕があること。もちろん、周囲への気配りも忘れない。
 ちなみに、件の番組はオリラジ以降も、かつて天才フィギュアスケーターの妹と比べられ、自分を見失いかけた浅田舞や、派遣社員から一躍国会議員になるも謝罪に追われた杉村太蔵氏など、様々な“しくじり先生”を招聘。SNSでも大いに話題になり、この4月からゴールデンタイムへ昇格する。ちなみに、ゴールデン初回の先生は、あのホリエモンである。

ビル・ゲイツが心酔した失敗学の本

そう、今やしくじり=失敗がトレンドなのだ。失敗を反面教師として、同じ過ちを繰り返さない。もしくは失敗を糧に、それを未来の成功へと変える発想の転換が求められる。
 事実、昨年夏、かのビル・ゲイツがブログで20年来の愛読書として紹介して話題になったジョン・ブルックスの『Business Adventures』も、そんな“失敗”を糧にする本だった。
 それは、ゲイツが20年以上前にアメリカの伝説的投資家ウォーレン・バフェットから借りた本で、以来「最高のビジネス書」として愛読し続けているという。
 その内容は、アメリカの経済史において転機となった、主に1950年代から60年代の企業の失敗を紹介したもの。例えば、フォード社の新車「エドセル」の開発におけるマーケティングの大失敗や、GEの経営トップと部下とのコミュニケーション不全が招いた価格カルテル事件。60年代に最も先進的技術を有しながら、70年代以降デジタル市場をアップルやマイクロソフトにみすみす明け渡したゼロックスなど、40年以上の時を経ても、それらの物語には時代を超えた普遍性が見られるという。
 恐らくゲイツは、それら先人たちの失敗を糧に、ビジネスを成功へと導くノウハウを学んだのだと思う。その結果、世界有数の成功した経営者となったのだ。そう、失敗は成功のもと。
 そして、日本のビジネス界でも最近、この失敗を成功に変えるムーブメントが起きている。

経営者たちが「失敗力」を語り始めた

昨年12月、一風変わったタイトルのカンファレンスが東京・品川プリンスホテル・アネックスタワーで催された。「失敗力カンファレンス」と銘打ったそれは、楽天の三木谷浩史会長が代表理事を務める新経済連盟が主催した会である。
 登壇者には、USENの宇野康秀会長をはじめ、サイバーエージェントの藤田晋社長や元ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)社長の久多良木健氏など、国内のそうそうたる経営者や有識者たちが招聘された。
 開催趣旨にはこう書いてある。
 「失敗は成功のもと。ビジネスは挑戦の連続です。挑戦がなくては、成功をすることはありえません。(中略)それでも起きてしまった失敗から学びを得る、“失敗力”にフォーカスし、起業と経営のヒントをもらうカンファレンスです」
 例えば、登壇者の一人、久多良木健氏は自身を“失敗の総合商社”と名乗り、かつてのプレステの開発経緯を語った。
 「当時はとにかくチャレンジが楽しかった。プレステは反対が多かったが、社内規制を突破したり、販路を変えたり、自由な発想で戦った」
 また、藤田晋氏は、かつて秋元康氏と始めたテレビ番組の失敗談を披露した。
 「3億円ほど投資したが、事業にはまったく跳ね返ってこなかった。しかし、これを機会にテレビ関係の人脈ができた。アメブロに芸能人ブログが多いのは、あの番組をきっかけに、多くの芸能事務所との付き合いが広がったからです」
 そう、かように時代を切り開いた経営者たちもまた、裏では数々の失敗を経験していた。しかし彼らは、それを糧にチャレンジを続け、成功へと転じたのである。

ジョブズの史上最高のスピーチ

さて、失敗力と言えば、やはり最後にこの人を紹介せずにはいられない。アップルの創業者の一人、今は亡きスティーブ・ジョブズである。
  彼の史上最高のスピーチといえば、2005年にスタンフォード大学の卒業式に招かれた時のものだろう。その中で、彼はかつて自身に降りかかった忌まわしい出来事をこう語った。
 「今思えば、アップルをクビになったことは人生最良の出来事でした」
 1985年、アップルを去ったジョブズは、新会社「NeXT」を設立し、ジョージ・ルーカスから無名の会社「Pixar」を購入する。その後、NeXTは新しいOSを開発し、Pixarは世界初のコンピューターアニメーション長編映画「トイストーリー」を製作した。
 一方、アップルは90年代に入ると徐々にシェアを低下。97年にいよいよ倒産の危機に瀕すると、最後の手段としてNeXT を買収する。晴れてジョブズはアップルに戻り、新しいOSで古巣を蘇らせ、更にiMac、iPod、iPhone、iPadと、次々に独創的な新製品を投入。アップルに第2のブレイクスルーをもたらした。
 前述の卒業式で、ジョブズはスピーチの最後をこう締めくくった。
 「私がアップルをクビにならかったら、これらのことは1つも起こらなかったと確信している。ひどい味の薬だったが、この患者には必要だった」
 そう、失敗とは、長い目で見れば成功への一里塚。失敗を失敗で終わらせない、未来の成功へと変える「失敗力」こそが、今の時代の企業に求められる能力かもしれない。
 失敗を、恐れるなかれ――。

草場 滋 くさば しげる 「指南役」代表

エンタテインメント系企画集団「指南役」代表。1995年「ソニー・アート・アーティスト・オーディション」入賞、98年「フジテレビ・バラエティプランナー大賞」グランプリ。ホイチョイ・プロダクションズのブレーンも務める。代表作に『逃走中』(フジテレビ)の企画原案。著書に『11のスタンダード』(実務教育出版)など。

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編集後記

「LINEママ」の主な特徴
  • 「LINEママ」は、利用歴2年以上のヘビーユーザーが多く、とりわけ「有職主婦・未就学児」層のリテラシーは高い。
  • 「有職主婦・小中学生」層は、学校関連コミュニティーをきっかけに利用し始めた人が多い。
  • 「LINEママ」の1日の平均利用時間は、概ね1時間未満。但し、「有職主婦・未就学児」層の利用時間は相対的に長く、育児の悩み相談や情報交換が活発に行われている。
  • 「有職主婦」は18時以降のオフタイム、「専業主婦」は18時までのデイタイムが主な利用時間帯。また、「専業主婦・未就学児」層は、スキマ時間を上手に活用している。
  • 「有職主婦・未就学児」層は、ママ友をはじめ、不特定多数との会話にも積極的に参加し、様々な機能を使いこなす。また、「専業主婦・小中学生」層は、1対1での会話を好む。
  • 「専業主婦・小中学生」層は、学校関連の知り合いによるグループが多く、「有職主婦・未就学児」層は、配偶者や両親によるグループが多い。
  • 「LINEママ」のグループ数は、1?5個がボリュームゾーン、各グループで登録している友達の数は、2?5人がボリュームゾーンで、コンパクトに整理されている。
  • 「LINEママ」は、複数のグループに重複して登録されている友達が少なく、会話を機能的に使い分けている。
  • 「有職主婦・未就学児」層は、育児や家事のストレス発散のみならず、多岐に渡って情報交換を行っている。一方、「専業主婦・小中学生」層は、単なる連絡手段と捉えている。
  • 「LINEママ」の牽引役とは、「有職主婦・未就学児」層を中心とした多忙な主婦層であり、時間やお金を効率的に消費したいと考えている主婦層。

LINEのティピカルなヘビーユーザーと言えば、「LINE世代」とも言われる10代の若者たちだ。NTTアドの「デジタルコミュニケーションライフ調査」によると、実に男性10代スマホユーザーの7割、女性10代スマホユーザーの8割がLINEを利用している。彼らの利用実態の特徴としては、グループ数が多く、比較的、煩雑な人間関係を形成しがちな点であろう。しかも、LINEを通じて、常時、友達とつながっていたいという志向性が強く、「寂しさの解消」が主な利用目的と思われる。
 一方、同じくヘビーユーザーである「LINEママ」の利用実態の特徴は、グループ数が少なく、しかも、「育児のストレスを発散するグループ」「役立つ情報を共有するグループ」「子供の自慢をし合うグループ」といったように、会話が機能的に使い分けられている点だ。元来、効率性と実利性を重視する主婦層にとって、LINEはコミュニティーを形成するハードルも低く、使い勝手の良いツールとして高く評価されているようだ。
 今回、注目した「LINEママ」の中でも、とりわけ「有職主婦・未就学児」層は、育児相談から様々な情報共有に至るまで、LINEをアグレッシブに活用している。つまり、多忙な主婦であればあるほど、効率性と実利性を重視する志向性が強まり、LINEへの評価が高い傾向にある。であるならば、主婦層をメインターゲットとし、日用品や子供向け商品を扱う企業は、「LINEママ」たちが情報共有しやすいよう、分かりやすくベネフィットを訴求することが重要となる。とりわけ、画像や動画のやりとりも積極的な「LINEママ」たちにとって、商品がフォトジェニックであるか、ベネフィットがビジュアルで簡単に伝えられるかといった点は、重要なファクターであるようだ。企業が商品開発やコミュニケーション戦略を展開する際、こうした志向性を少しでも念頭に置くことが大切となる。

NTTアド『先事新聞』編集長 小林勝司
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