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Agenda & secondary data
「秋葉原」における市場環境の変化

今、秋葉原訪問者は、急速に多様化が進んでいる。タウン・ウオッチングしてみても、ビジネスパーソン、オタク系の男女、訪日外国人に加え、友達同士や家族で訪れている一般女性の姿も散見されるようになった。

そこで、一都三県在住の10代から50代男女981名を対象に、この一年以内に秋葉原を訪れた経験があるかを尋ねてみたところ、あると回答した対象者が48%とほぼ半数もの人が訪れているようだ。さらに、秋葉原訪問経験者のうち、男女の割合を見てみると、男性が49%であるのに対し、女性は51%もいることが分かった。

さらに、秋葉原女性訪問者の属性を見ると、会社員・会社経営者の31%に続き、専業主婦が22%、パート・アルバイトが19%、学生が18%と続き、男性に比べ、女性訪問者の属性の幅が広いことが判明した。

また、女性が秋葉原へ訪問する際の主な時間帯を尋ねてみると、平日の昼間が41%と最も多く、さらに土曜日・休日の昼間が39%と続き、女性が訪問しやすいウィークデーのデータイムを中心に賑わっていることが分かる。

今、秋葉原訪問者全体の約5割を女性が占めている背景には、同エリアにおける環境変化が影響していると予測される。最近では、「ヨドバシAkiba」「アトレ秋葉原」「秋葉原UDX」といった複合商業施設や、「mAAch マーチエキュート神田万世橋」「2k540 AKI-OKA ARTISAN」といった再開発施設など、女性が訪問しやすい新たな動線が次々と新設されており、表の顔が変わりつつあると言えよう。と同時に、かつての裏原宿同様、裏秋葉原なるエリアも生まれ、そこにオシャレな飲食店が軒を連ねるようにもなった。また、交通面では、JR山手線・京浜東北線・総武線や東京メトロ日比谷線、都営地下鉄新宿線(岩本町駅)など多数の在来線が乗り入れており、さらに、つくばエクスプレスや高速バスも加わり、様々な地域から訪問しやすい環境となった。

  1. ※東京都統計年鑑によると、秋葉原駅の1日平均乗車人員は2004年度まで概ね40万人で推移していたが、つくばエクスプレスが開業した05年度以降は増加傾向に転じ、15年度にはJR東日本、東京メトロ、首都圏新都市鉄道3社合計で約73万人、年間では約2億6700万人とも上る。

こうした再開発地域や複合商業施設の新設、交通機能の向上といった環境変化をきっかけに、今、多くの女性が秋葉原を訪れ始めている。これまで、オタク市場の聖地、訪日外国人のインバウンド消費などといった文脈では何かと注目を集めてきた秋葉原であるが、同エリアを訪れる一般女性がどの程度存在し、どのような消費行動をとっているかは意外と知られていない。

そこで、今号の『空気読本』では、女性の秋葉原訪問者に注目し、その志向性と消費行動を探ることとした。