調査・研究/発行物

オリジナル調査

2014年5月14日

「BtoBインバウンド・マーケティングに関する受容性調査」

スマートフォンやソーシャルメディアの普及により生活者の行動が大きく変わり、企業と生活者のコミュニケーションの方法も変化しています。企業が広告等を通して一方的に情報を発信する「アウトバウンド」から、ソーシャルメディアやPR、検索エンジン対策などを組み合わせ自社サイトへ誘引してビジネスチャンスを広げる「インバウンド」の取り組みへシフトしています。

このインバウンド・マーケティングの取り組みは、Webコミュニケーションの先行する北米で、企業と生活者(BtoC)だけではなく、企業と企業(BtoB)の間でも積極的に活用される傾向があります。

本調査は、日本でも同じくBtoC だけではなくBtoBにおけるインバウンドの需要が高まっていくという考えのもと、企業のICTシステム導入に関わるキーパーソンに対して現状の確認と今後どのような影響を及ぼす可能性があるのかリサーチしました。

【調査結果 概要】

導入検討の情報源はIT専門サイト、検索エンジン、展示会、Webサイト

IT専門サイト、検索エンジン、展示会、Webサイトでの情報発信及び掲載対応は必須。
海外で注目されているSNSの情報は、国内BtoBでは重視されていない現状。

リスティング広告だけでは引き寄せられない!? 検索結果の上位表示のため、コンテンツの充実は必須

情報収集における検索エンジンの利用法として、広告よりも検索結果画面の上位表示を重視している。
自然検索で上位に表示されるためのWebサイトのコンテンツの充実が重要である。

IT導入検討開始時にWebサイト訪問。サイトの質が顧客獲得の分岐点

Webサイトを訪れるのは「導入検討の情報収集段階」が多く、見込み客獲得において重要なコンタクトポイントとなっている。

Webサイトのコンテンツ、キーワードは「わかりやすさ」

Webサイトのコンテンツで求められているのは「わかりやすさ」。
導入事例、仕様書、データを視覚的に表現した図、FAQなどもユーザー視点でのコンテンツが重視されている。

キーマンの8割がSNS利用者だが、業務利用意向は低い。発信側とのギャップ顕著に

個人的なSNS利用者は8割に達しているが、業務の情報収集としてSNSは活用されていない状況。
BtoB領域におけるSNSの発信者と受信者で大きなギャップが生まれている。

【調査方法 インターネット調査(n=200)】調査期間:2014年3月13日~2014年3月16日

  • 性別:男女
  • 年代:20~50代
  • 勤務地:<首都エリア>埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県<中京エリア>愛知県<近畿エリア>大阪府・兵庫県
  • 情報システム関連職種従事者(主任以上の役職者、情報システム導入への関与者)

■【調査対象者属性】

1.20代〜40代の東京勤務者の「脱東京志向者」の割合

企業の売上規模 円グラフ 10億~100億円未満31%。100億~1000億円未満37%。1000億円以上32%。 役職 円グラフ 現場管理層80%。上級管理層20%。 システム導入の立場 円グラフ ケースによって意見25%。指示を受けて情報収集 14%。選択肢の絞り込み 49%。最終決裁 12%。

1.導入検討の情報源はIT専門サイト、検索エンジン、展示会、Webサイト

ICTシステム導入検討の情報源の上位は、「IT系サイトの記事(76.5%)」、「検索エンジンの検索結果画面(73.5%)」。
次いで、「展示会(55.5%)」「情報システム会社のWebサイト(54.0%)」と続きます。IT系サイトへの記事掲載と検索結果の上位表示は、割合の高さから考えても最低限必要な対応といえそうです。
更に展示会やWebサイトで情報を発信することは、BtoBのコミュニケーション手段として必須といえます。 一方、海外で注目されているSNSに関して、国内のキーマンは現時点で重視していないという結果となりました。

表 システム導入検討において利用する情報源についてお教えください。 IT系サイトの記事 よく利用する29.0% ときどき利用47.5% ほとんど利用しない14.5% 全く利用しない 9.0% 検索エンジンの検索結果画面 よく利用する36.5% ときどき利用37.0% ほとんど利用しない14.5% 全く利用しない 12.0% 展示会 よく利用する10.5% ときどき利用45.0% ほとんど利用しない28.5% 全く利用しない 16.0% 情報システム会社のWebサイト よく利用する11.5% ときどき利用42.5% ほとんど利用しない25.0% 全く利用しない 21.0% 専門書籍 よく利用する12.5% ときどき利用38.5% ほとんど利用しない31.5% 全く利用しない 17.5% IT系サイトの広告 よく利用する12.5% ときどき利用38.5% ほとんど利用しない28.5% 全く利用しない 20.5% IT系サイトのメールマガジン よく利用する12.0% ときどき利用39.0% ほとんど利用しない24.0% 全く利用しない 25.0% 一般ニュースサイトの記事 よく利用する12.5% ときどき利用36.5% ほとんど利用しない27.5% 全く利用しない 23.5% 雑誌記事 よく利用する7.5% ときどき利用40.5% ほとんど利用しない26.0% 全く利用しない 26.0% 新聞記事 よく利用する6.0% ときどき利用29.5% ほとんど利用しない32.5% 全く利用しない 32.0% 同僚・同職種の方・同業者・知人等のクチコミ評価 よく利用する7.0% ときどき利用28.0% ほとんど利用しない33.5% 全く利用しない 31.5% 雑誌広告 よく利用する4.5% ときどき利用24.5% ほとんど利用しない39.5% 全く利用しない 31.5% 情報システム会社のメールマガジン よく利用する3.5% ときどき利用25.0% ほとんど利用しない33.0% 全く利用しない 38.5% ニュースアプリ(スマートフォン&タブレット) よく利用する4.5% ときどき利用19.5% ほとんど利用しない31.5% 全く利用しない 44.5% テレビ(CMを含む) よく利用する6.0% ときどき利用16.0% ほとんど利用しない33.5% 全く利用しない 44.5% DM よく利用する2.5% ときどき利用19.5% ほとんど利用しない44.5% 全く利用しない 33.5% 新聞広告 よく利用する3.5% ときどき利用15.5% ほとんど利用しない40.0% 全く利用しない 41.0% ネット上のクチコミ評価(SNSでのウワサ・評価情報) よく利用する1.5% ときどき利用14.5% ほとんど利用しない41.0% 全く利用しない 43.0% システム会社のSNS公式アカウント よく利用する2.0% ときどき利用12.5% ほとんど利用しない32.5% 全く利用しない 53.0% 著名な専門家(個人)のSNS・ブログ等 ときどき利用12.0% ほとんど利用しない38.0% 全く利用しない 50.0% 

2.リスティング広告だけでは引き寄せられない!? 上位表示のためのコンテンツの向上は必須

業務上の情報収集における検索エンジンの利用法 棒グラフ キーワード複数を掛け合わせて検索する(例 データセンター+クラウド)81% キーワード単位で検索する66% 検索結果画面の1ページ目の上位からwebサイトを訪問する48.5% 検索結果画面の2ページ目からもwebサイトを訪問する31.5% 検索結果画面の1ページ目の下位からもwebサイトを訪問する23% 検索結果画面に表示された広告をクリックすることがある10% 検索エンジンは使わない0%情報収集における検索エンジンの利用法についての上位は、「キーワード複数を掛け合わせて検索」(81.0%)。
次いで「キーワード単体で検索」(66.0%)、「検索結果画面の1ページ目の上位からWebサイトを訪問」(48.5%)と続き、自然検索で上位表示されることが重要と分かりました。
一方で「検索画面の表示された広告をクリックすることがある」(10%)は利用法としては少ない結果となりました。サーチエンジンの検索結果の上位にランキングされるコンテンツの充実が、他社との競争に大きく影響してくることが分かります。

3.IT導入検討開始にWebサイト訪問。サイトの質が顧客獲得の分岐点

情報システム会社のWebサイトを訪れる情報収集段階 棒グラフ 導入検討開始時の情報収集段階75.5% ある程度導入検討し、複数の選択肢に絞り込んだ後の情報収集段階48.0% 導入をほぼ決定した後の確認のための情報収集段階19.5% その他1.5%Webサイトを訪れるタイミングにおいて最も高いのは、「導入検討開始時の情報収集段階」(75.5%)。次いで「ある程度導入検討し、複数の選択肢に絞り込んだ後の情報収集段階」(48.0%)、「導入をほぼ決定した後の確認のための情報収集段階」(19.5%)と続きます。

Webサイトを訪れるのは「導入検討の情報収集段階」が多いため、訪問時に有益な情報を提供出来るよう質の高いサイトを公開・運営していることが導入検討の選択肢に残る重要な要素といえます。

4.Webサイトのコンテンツ、キーワードは「わかりやすさ」

ICTシステム提供企業のWebサイトへの要望の上位は、「情報システムのわかりやすい紹介」「情報システムの導入コストの掲載」ですが、全ての項目でポイントが高くコンテンツの充実が望まれています。Webサイトにおけるコンテンツの重視で7割を超えるのは、「情報システム導入事例(他社ケーススタディ)」「技術仕様書(PDF等)」「情報やデータを視覚的に表現した図など」「情報システムに関するFAQ」になっており、“情報システムのわかりやすい説明”が重視されているといえます。

表 Webサイトにおけるコンテンツの重要度をお教えください。 情報システム導入事例(他社ケーススタディ) とても重要25.0% やや重要59.0% あまり重視しない13.0% まったく重視しない3.0% 技術仕様書(PDF等) とても重要23.0% やや重要56.5% あまり重視しない18.0% まったく重視しない2.5% 情報やデータを視覚的に表現した図など とても重要12.0% やや重要63.5% あまり重視しない20.0% まったく重視しない4.5% 情報システムに関するFAQ とても重要13.0% やや重要57.0% あまり重視しない26.5% まったく重視しない3.5% 製品パンフレット(PDF等) とても重要11.0% やや重要58.0% あまり重視しない28.0% まったく重視しない3.0% パワーポイントなどによる解説スライド とても重要8.0% やや重要56.5% あまり重視しない27.5% まったく重視しない8.0% セミナーの案内 とても重要9.0% やや重要46.5% あまり重視しない35.5% まったく重視しない9.0% オンライン見積もり とても重要5.5% やや重要46.0% あまり重視しない39.0% まったく重視しない9.5% プレスリリース とても重要6.0% やや重要45.0% あまり重視しない40.5% まったく重視しない8.5% 独自の市場調査データ とても重要4.5% やや重要44.0% あまり重視しない42.0% まったく重視しない9.5% 独自のアナリストレポート とても重要4.5% やや重要41.0% あまり重視しない45.0% まったく重視しない9.5% 導入キャンペーンの案内 とても重要5.5% やや重要37.0% あまり重視しない45.5% まったく重視しない12.0% 情報システムの紹介動画 とても重要5.5% やや重要36.5% あまり重視しない44.0% まったく重視しない14.0% バーチャルセミナー とても重要6.0% やや重要30.0% あまり重視しない49.0% まったく重視しない15.0% 問合せキャンペーンの案内 とても重要4.0% やや重要30.5% あまり重視しない48.0% まったく重視しない17.5% 経営トップのメッセージ とても重要6.5% やや重要25.5% あまり重視しない48.0% まったく重視しない20.0% 担当者ブログ とても重要3.5% やや重要28.0% あまり重視しない49.5% まったく重視しない19.0% メールマガジンの案内 とても重要3.0% やや重要24.5% あまり重視しない52.0% まったく重視しない20.5% 公式SNSの案内 とても重要2.5% やや重要17.0% あまり重視しない51.5% まったく重視しない29.0%

5.キーマンの8割がSNS利用者だが、業務利用意向は低い。発信側とのギャップ顕著に

SNSの利用上位は、「Facebook(フェイスブック)」「YouTube(ユーチューブ)」「LINE(ライン)」となっています。「SNS等を利用していない」は2割に留まり、8割が何らかのSNSを利用している結果となりました。8割がSNSを利用しているにも関わらず、情報源の調査データからも分かる通り「公式SNSの案内」からの情報収集者は多くないのが現状です。
企業の公式SNSアカウントでは業務に関する情報を発信していることが殆どですが、有益な情報として活用されている割合は少なく、情報発信側と受信側で大きなギャップがあることが分かりました。

個人で利用しているSNS等 グラフ Facebook50.5% youtube43.5% LINE38.5% Twitter28.0% ニコニコ動画23.0% mixi21.0% SNS等を利用していない20.5% Google+20.0% アメーバブログ7.0% GREE6.5% Mobage (Yahoo!モバゲーを含む)6.0% FC2ブログ6.0% Yahoo!ブログ6.0% Linkedln5.5% Slideshere0.0% その他0.0%

以 上