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先事新聞 vol.36「ビジュアルコミュニケーション」新潮流

「ビジュアルコミュニケーション」新潮流

10代から20代の若年層を中心に、写真や動画による「ビジュアルコミュニケーション」が活発化しつつある。20代女性を対象としたグループインタビューの中で、日常生活で必要な情報は、『Instagram』の画像検索を通じて入手しているとの声が多く聞かれた。例えば、ファッションのコーディネートで悩んだ時には、「#OOTD」(Outfit Of The Dayの略で、「今日のコーディネート」を意味する)といった具合に略語にハッシュタグを付けて画像検索し、他のユーザーが投稿した写真を参考にするらしい。ご存じの通り、『Instagram』とは、スマートフォンで撮影・加工した写真を共有できる、ビジュアルに特化したSNSだが、とりわけ女性の間で、タイムリーかつインタラクティブな情報メディアとして存在感を高めつつあるようだ。

また、10代の若年層の間で、スマートフォンでショートムービーを撮影・編集・投稿できるアプリ、『MixChannel』が話題を呼んでいる。このアプリでは、「声・セリフ」「顔出し」「おもしろ」「LOVE」などにカテゴライズされた他の投稿者による動画も視聴でき、しかも、お気入りの投稿者のファンになることやコメントを投稿できるため、既に多くのファンを抱えるカリスマユーザーまでも誕生している。

どうやら、今、若年層のネットコミュニケーションの主流が、文字によるコミュニケーションから、「ビジュアルコミュニケーション」へと変わりつつあるようだ。理由としては、幼い頃から、『Facebook』『Twitter』『Instagram』などのSNSや、『LINE』に慣れ親しんでおり、絵文字やスタンプなど文字以外の要素で伝えることや、自己顕示欲を満たす手段としてSNSが定着していることなどが考えられる。

そこで、今号の『先事新聞』では、若年層の「ビジュアルコミュニケーション」の実態を探るべく、全国16歳~25歳男女1,040サンプルを対象にインターネット調査を実施した。尚、今回は、アプリの利用状況をより正確に把握するため、スマートフォン端末による回答に限定した。対象者が利用しているキャリア、スマートフォンOSや職業の内訳は以下の通りとなっている(図表1)。


調査概要
対象者のプロフィール
(1)女性ユーザーは、『Instagram』や『aillis』で、撮影した写真を積極的に編集・加工

はじめに、「ビジュアルコミュニケーション」に関連した様々なアプリの利用率について尋ねてみた(図表2)。全体では、『LINE』の利用率が81.0%と最も高く、さらに『Twitter』が58.0%、『YouTube』が51.4%、『Facebook』が35.4%と続く。また、女性ユーザーの『Instagram』の利用率が34.6%、『aillis(写真を編集・加工できるアプリ)』が18.8%と全体に比べて高く、男性よりも写真の編集・加工・共有に積極的であることが分かる。

現在利用しているサービス(男女の比較)
(2)「数秒~1分程度」の比較的短い動画を投稿するユーザーの割合は、全体で37.3%

次に、写真・動画の投稿頻度について尋ねてみた(図表3)。まず、日頃、何らかの写真を投稿しているユーザーの割合は全体で80.8%に上り、若年層の間では一般的な行為と言えそうだ。また、「1日に1回以上」写真を投稿する高頻度層の割合は、男性が18.9%、女性が22.2%と女性の方が男性よりも高い。

一方で、動画の投稿頻度について、短い動画・長い動画に分けて尋ねてみた。まず、「数秒~1分程度」の比較的短い動画を投稿するユーザーの割合は、全体で37.3%であり、写真を投稿するユーザーより少ないものの、かなり浸透していることが分かる(図表4)。「1週間に1回以上」短い動画を投稿する高頻度層の割合は、男性が22.4%、女性が15.8%と男性の方が女性よりも高い。また、「1分以上」の比較的長い動画を投稿するユーザーの割合は、全体で26.5%であり、短い動画を投稿するユーザーよりも若干少数派だ(図表5)。また、「1週間に1回以上」長い動画を投稿する高頻度層の割合は、男性18.9%、女性8.8%と、こちらも男性の方が女性よりも高い。つまり、高頻度層の割合は、写真の投稿については女性の方が、動画の投稿については男性の方が高い傾向にある。

写真の投稿頻度、短い動画(数秒~1分程度)の投稿頻度、長い動画(1分以上)の投稿頻度
(3)「女性ムービー利用派」は、写真の編集・加工、短い動画の閲覧・投稿に積極的

さらに、投稿内容等について掘り下げていくが、そのための分析軸として、若年層の間で一般的な行為となっている写真投稿をベースとしながら、写真も動画も投稿するユーザーを「男性ムービー利用派」「女性ムービー利用派」、写真は投稿するが動画の投稿はしないユーザーを「男性フォト限定派」「女性フォト限定派」とカテゴライズした(図表6)。

次に、これら4カテゴリーを分析軸に、改めてアプリの利用率(投稿・閲覧含む)を検証してみる(図表7)。まず、「男性ムービー利用派」は、『ニコニコ動画』の利用率が28.4%であり、「男性フォト限定派」は、『YouTube』の利用率が64.2%と全体に比べて高く、男性ユーザーは比較的長い動画の閲覧・投稿に偏る傾向が見られる。また、「男性フォト限定派」は、『LINE』の利用率が95.3%と全体に比べて高く、「女性フォト限定派」は、『Twitter』の利用率が82.0%と全体に比べて高いことから、前者は主に『LINE』で、後者は主に『Twitter』で写真を共有しているようだ。一方、「女性ムービー利用派」は、『Instagram』の利用率が47.0%、『aillis』が28.0%、『MixChannel』が13.4%と全体に比べて高く、写真の編集・加工、短い動画の閲覧・投稿に積極的で、幅広く「ビジュアルコミュニケーション」を楽しんでいる。

分析軸
現在利用しているサービス(4カテゴリー比較)
(4)「男性ムービー利用派」は仲間内への投稿に、「女性ムービー利用派」は不特定多数の人への投稿に拘りを持つ

続いて、不特定多数の人に向けた写真・動画の投稿方法について尋ねてみた(図表8)。まず、全体では、「自分のコメントを付けて投稿する」が59.4%と最も高く、次いで「1つのアプリで編集や加工をして投稿する」が38.5%、「ハッシュタグ(#)を付けて投稿する」が36.7%と続き、他のユーザーに検索・閲覧されることを意識して投稿していることがうかがえる。また、「ムービー利用派」は、「フォト限定派」よりも、全体的に写真や動画を編集・加工する意識が高く、「ビジュアルコミュニケーション」が活発である。中でも「女性ムービー利用派」は、「1つのアプリで編集や加工をして投稿する」が51.4%、「複数のアプリで編集や加工をして投稿する」が48.6%、「アプリ同士を連携させて投稿する」が40.0%と全体に比べて高く、投稿する写真や動画のクオリティーに拘りを持っていることがうかがえる。

次に、仲間グループに向けた写真・動画の投稿方法について尋ねてみた(図表9)。まず、全体では、「自分のコメントを付けて投稿する」が50.8%と最も高く、次いで「作成されたアルバムに投稿する」が42.9%、「1つのアプリで編集や加工をして投稿する」が39.7%と続き、仲間内へ投稿する場合はアルバム機能を多用していることが分かる。また、「男性ムービー利用派」は、「1つのアプリで編集や加工をして投稿する」「アプリ同士を連携させて投稿する」が不特定多数の人への投稿よりも高くなることから、むしろ、仲間内への投稿に手間をかけているようだ。つまり、「女性ムービー利用派」は、不特定多数の人への投稿に、「男性ムービー利用派」は、仲間内への投稿に拘る傾向が見られる。

写真や動画の投稿方法(友人や知人に限らない不特定多数の人)
写真や動画の投稿方法(友人や知人などの仲間グループ)
(5)「ムービー利用派」は、プライベートをネット上でシェアすることに抵抗感がない

不特定多数の人に向けた写真・動画の投稿内容について尋ねてみた(図表10)。まず、全体では、「訪れた場所での様子を記録した写真や動画」が57.6%と最も高く、次いで「購入した物や贈り物など所有物を撮影した写真や動画」が52.6%、「共感や感動させられた被写体の写真や動画」が44.9%と続き、思い出の共有やライフログに関連した内容が中心のようだ。「男性ムービー利用派」は、「自分の特技や技術を撮影した写真や動画」が35.3%、「自分(1人)を撮影した写真や動画」が34.5%と全体に比べて高く、写真や動画を通じて自分自身の姿や特技を中心にアピールする傾向が強い。一方、「女性ムービー派」は、「自分と自分以外の人を一緒に撮影した写真や動画」が57.1%、「自分以外の人を撮影した写真や動画(自分は写らない)」が53.3%と全体に比べて高く、自分自身というよりも、自分の仲間を被写体に投稿している。また、「ムービー利用派」は男女共に、「普段は他人に見せないような恋愛のシーンを撮影した写真や動画」が全体に比べて高く、プライベートをネット上でシェアすることに抵抗感がなく、むしろ、そのことによってプレゼンスを確立しようとしているようにも見える。他方、「フォト限定派」は男女共に、「普段は他人に見せないような恋愛のシーンを撮影した写真や動画」が極めて低く、プライベートをネット上に晒すことへの抵抗感が強いようだ。

次に、仲間グループに向けた写真・動画の投稿内容について尋ねてみた(図表11)。まず、全体では、「自分と自分以外の人を一緒に撮影した写真や動画」が59.5%と最も高く、さらに、「訪れた場所での様子を記録した写真や動画」が56.8%、「自分以外の人を撮影した写真や動画(自分は写らない)」が52.8%と続き、仲間内への投稿になると、自分自身が被写体になるケースが増えてくる。中でも「女性フォト限定派」は、「自分と自分以外の人を一緒に撮影した写真や動画」が69.8%と不特定多数の人に向けた投稿よりも高くなり、明らかにオープンなコミュニティーとクローズなコミュニティーとで被写体を使い分けている。また、「女性ムービー派」は、「普段は他人に見せないような恋愛のシーンを撮影した写真や動画」が不特定多数に向けた投稿よりも低くなり、仲間内となると気恥ずかしさを感じるのか消極的になる。

写真や動画の投稿方法(友人や知人に限らない不特定多数の人)
写真や動画の投稿方法(友人や知人などの仲間グループ)
(6)「女性ムービー利用派」は、ファッション感度が高いと思われたい。「男性フォト限定派」は、情報感度が高いと思われたい

不特定多数の人に向けた写真・動画の投稿により、どのような印象を持ってもらいたいかを尋ねてみた(図表12)。まず、全体では、「楽しいと思ってもらいたい」が38.8%と最も高く、次いで「話のネタになると思ってもらいたい」が30.4%、「センスがあると思ってもらいたい」が22.7%と続く。中でも「女性ムービー利用派」は、「センスがあると思ってもらいたい」が34.3%と全体に比べて高く、大勢の人にファッション感度が高いと思われたいようだ。また、「男性フォト限定派」は、「話のネタになると思ってもらいたい」が44.4%と全体に比べて高く、情報感度が高いと思われたいらしい。

一方で、仲間グループに向けた写真・動画の投稿により、どのような印象に持ってもらいたいかを尋ねてみた(図表13)。まず、全体では、「楽しいと思ってもらいたい」が45.6%と最も高く、次いで「話のネタになると思ってもらいたい」が39.5%、「思い出になると思ってもらいたい」が36.1%と続き、「思い出を共有する」ことや「共感される」ことを優先している。

写真や動画の投稿方法(友人や知人などの仲間グループ)
写真・動画の投稿により印象に持ってもらいたい点(友人や知人に限らない不特定多数の人)
(7)「女性ムービー利用派」は、不特定多数の人への投稿で、「男性ムービー利用派」は仲間内への投稿で気を使っている

不特定多数の人に向けて写真・動画を投稿したいと思わない場合の理由について尋ねてみた(図表14)。まず、全体では、「閲覧している人に自分自身の行動が分かってしまうから」が34.2%と最も高く、次いで「閲覧している人にとって自分自身の自慢に見えてしまうから」が31.5%、「自分自身が1人で写っていて照れくさいから」が29.7%と続き、行動履歴が分かってしまうことを最も気にしている。また、「女性ムービー利用派」は、「自分自身が写真や動画をうまく撮影できていないと思うから」が35.2%と全体よりも高く、写真のクオリティー次第で投稿の有無を判断しているようだ。さらに、「女性ムービー利用派」は、その他の項目についても高い傾向にあることから、投稿の際に様々なことに配慮していることがうかがえる。

一方で、仲間グループに向けて写真・動画を投稿したいと思わない場合の理由について尋ねてみた(図表15)。全体では、「閲覧している人にとって自分自身の自慢に見えてしまうから」が30.3%と最も高く、次いで「自分自身が1人で写っていて照れくさいから」が29.6%、「閲覧している人が関係ないと思うから」が25.8%と続き、不特定多数への投稿同様、自慢に思われてしまうことを気にしている。とりわけ、「男性ムービー利用派」は、「一部の閲覧している人にしか伝わらないから」が23.3%、「閲覧している人が役に立たないと思うから」が21.2%と全体に比べて高く、仲間への気配りがうかがえる。つまり、「女性ムービー利用派」は、不特定多数の人への投稿で気を使い、「男性ムービー利用派」は、仲間内への投稿で気を使っているようだ。

写真・動画を投稿したいと思わない場合の理由(友人や知人に限らない不特定多数の人)
写真・動画を投稿したいと思わない場合の理由(友人や知人などの仲間グループ)

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[CASE STUDY]「ムービー利用派」に見られるビジュアルコミュニケーションの傾向
(1)プライベートシェア:一人じゃなく、仲間や恋人と

例えば、恋人同士での「キス動画」をアップしたり、共同アカウントを設定して二人の日常をツイートしたりと、日常のちょっとした出来事や、友達・恋人などとのちょっとしたやり取りを写真や動画で、投稿し、友人など身近な関係性の人と共有する。

MixChannel

https://mixch.tv/

10代に絶大な人気を誇る動画コミュニティー。スマートフォンの写真機能や動画機能を活用して、簡単にショートムービーを作成し共有できる。ユーザーは学校やプライベートの中で友達や恋人との生活の様子を共有している。最近ではこうした利用実態をベースに企業がプロモーションのプラットフォームとして活用する事例も増えてきている。

(2)ビジュアル検索:情報はハッシュタグを付けて投稿・閲覧

特に「今日のコーディネート」などのファッション情報や「お弁当」などのグルメ・レシピ情報などを、従来の検索サイトの代わりに動画共有サービスを使って検索する。また同時に、自分の情報も提供している。写真や動画が伝える「分かりやすさ」や「インパクト」を、情報提供・検索に活用している。

みんなのお弁当

https://itunes.apple.com/jp/app/id977965019

2015年10月にリリースされたアプリ。料理レシピサイト『クックパッド』と連動、作ったお弁当をクックパッドのレシピ付きで記録・共有できるアプリ。自分の作ったお弁当を記録するだけでなく、他のユーザーの投稿が盛りつけやおかず決めの参考になり、「毎日のお弁当作りが楽しみになる」がコンセプト。

(3)プチタレント気分:ネタ動画やおしゃれ動画で評価されたい

ダンス動画やネタ動画など、自分たちで工夫して作った「作品」を発表し、いいね!などで評価を受ける場として活用している。アプリやデバイスの高機能化、動画共有サービスの浸透が「観る立場」から「創る立場」への意識の変容のきっかけとなっている。

UUUM

http://www.uuum.jp/

「ヒカキン」をはじめとした、日本国内でトップクラスの人気を誇るYouTuberたちが登録する、YouTuber専門のエージェンシー。コンテンツ作成のサポート、キャンペーン展開、グッズ開発など、YoutTuberのビジネス展開をサポートすると同時に、バカ自慢ネタを投稿して公開する動画コミュニティーアプリ『CAMACHO!(カマチョ)』をリリースするなど、「ネタ系動画制作者」の中から新しい才能を発掘することに取り組んでいる。

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浸透、細分化が進む動画は、コミュニケーションのプラットフォームに 鎌田 和樹さん(UUUM株式会社代表取締役CEO)

私たちUUUM株式会社は、2013年に設立されました。この2年あまりの間にも、ネットにおける動画の受容スタイルには変化が見られます。大きな傾向の一つは、動画共有サービスへのデバイス別アクセス比率において、スマートフォンの比率が高まっていることがあげられます。ここからは、スマートフォンの普及が進んでいること、また、もともと動画共有サービスのユーザーとして想定されていた若年層、とりわけティーンエイジャーの利用率が、より高まっていることが想像されます。

動画共有サービスの多様化も進んできました。動画共有サービスといえば『YouTube』が代表格ですが、『YouTube』のユーザー数は、この2年でそれほど大きく変わってはいないようです。その一方で、スマートフォンの普及に伴い動画の視聴回数が増加し、動画共有サービス全体のユーザー数は大きく増えています。このことはこの2年で、『YouTube』以外の動画共有サービスがユーザーに浸透し、利用されるようになってきたことを意味すると考えます。『YouTube』が、なんでもありのいわば「ポータル」的な役割を持つサービスだとするならば、例えばファッションやライフスタイルなどに特化した、より指向性の高い、細分化されたサービスが登場してきているのだと思います。

2014ー2015年  UUUMにおける動画視聴の端末タイプ別動向

また、動画コンテンツに対するユーザーのリテラシーが上がってきていることも、この2年に起こった変化です。例えば以前は、高価なデジタルガジェットや、最新のコスメなどをいち早く紹介するシンプルな商品レビューがユーザーにウケていました。しかし最近はそれだけでなく、一歩踏み込んだプラスアルファの要素が求められるようになってきました。例えば、弊社所属のYouTuber「ジェットダイスケ」さんが、iPhone6sのスローモーション機能を紹介するために「雪の東京の夜景」の撮影に挑戦するなど、最新のデジタルガジェットを使ってなにか「やってみる」コンテンツや、同じく弊社所属の「くまみき」さんが百均ストア「キャンドゥ」で販売しているコスメで、ハイクオリティーなメイクをしてみたりと、作り手も商品紹介に工夫をするようになってきたのです。

そうした状況の中で、自分で動画を発信したいという人が増えてきました。ネット動画を当たり前に見ている今の若い世代にとっては、「観る立場」から「創る立場」へと意識を変えることは比較的容易なようです。私たちは約1900人のYouTuberとネットワークを構築していますが、そのレベルやスタンスは様々です。トップクリエイターと呼ばれる人もいれば、これからそれを目指していこうという人もいます。私たちはそういう意欲のある方に、表現の場を提供します。 と、同時に「これは」と思った人には、より高いクオリティーのコンテンツを作るためのサポートをしています。また、これからは、「本能寺の変」で知られる吉本興業の芸人「エグスプロージョン」のように、他分野からの参入も増えてくると思います。

「家に帰ったらテレビをつける」ように、PCの電源を入れたら動画サイトを見るという習慣は、すでに広がってきているのではないでしょうか。これからは、動画共有サービスも、ユーザーとのコミュニケーションチャネルの一つとして、テレビや映画など他のチャネルと連携していく時代になっていくのだろうと思います。(談)

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編集後記

今回の調査結果によって判明した若年層における「ビジュアルコミュニケーション」の傾向は以下の通りである。

  • 何らかの写真を投稿している若年層ユーザーは全体の80.8%に上る。
  • 高頻度層は、写真投稿については女性の方が、動画投稿については男性の方が高い傾向にある。
  • 「ムービー利用派」は、「フォト限定派」よりも、写真や動画を編集・加工する意識が高く、「ビジュアルコミュニケーション」が活発。とりわけ、「女性ムービー利用派」は、写真の編集・加工や短い動画の閲覧・投稿と、幅広く「ビジュアルコミュニケーション」を嗜んでいる。
  • 「男性ムービー利用派」は、仲間内への投稿に対して、「女性ムービー利用派」は、不特定多数の人への投稿に対して拘りを持つ傾向にある。
  • 「男性ムービー利用派」は、写真や動画を通じて自分自身の姿や特技を中心にアピールし、「女性ムービー派」は、自分自身というよりも、自分の仲間を中心にアピールしている。
  • 「ムービー利用派」は男女共に、「普段は他人に見せないような恋愛のシーンを撮影した写真や動画」が全体に比べて高く、プライベートをネットでシェアすることに抵抗感がなく、むしろ、そのことによってプレゼンスを確立しようとしている。
  • 「女性ムービー利用派」は、ファッション感度が高いと思われたい。「男性フォト限定派」は、情報感度が高いと思われたい。
  • 「女性ムービー利用派」は、不特定多数の人への投稿において、「男性ムービー利用派」は仲間内への投稿において気を使っている。

どうやら、これからの「ビジュアルコミュニケーション」の牽引役は「女性ムービー利用派」と言えそうだ。彼女たちは、『Instagram』『aillis』『MixChannel』などを使いこなし、不特定多数の人に向けて、自ら撮影・編集した写真や、短い動画を投稿する、極めて「ビジュアルコミュニケーション」が活発な層だ。最も特徴的なポイントとしては、投稿する写真や動画に、恋人や仲間との親密性をアピールする内容が多い点であり、その根底には、より多くの人に「リア充」と認められたいという志向性が見え隠れする。一方で、調査結果でも明らかなように、「女性ムービー利用派」は、自慢に思われないように写真や動画を投稿するなど、単に「リア充」をアピールすることのみならず、閲覧する人への配慮も見受けられる。彼女たちは、「『ぼっち(孤独)』に対する警戒心」が強いせいなのか、それを払拭する手段としても、「ビジュアルコミュニケーション」を活用しているようだ。

これまで、「リア充」と「非リア充」は、その人の価値意識の拠り所が、リアルの世界なのか、ネットの世界なのかによって住み分けられてきた。ところが、「ビジュアルコミュニケーション」が活性化してきたことにより、その境界線が曖昧になり、ネット上での存在感を高めるために、リアルの生活を充実させるといった傾向が強まっているようだ。これからは、「女性ムービー利用派」のように、恋人や仲間といった写真や動画の「ネタ」が豊富で、尚かつ、「ネット上の空気が読める」人たちが代表的な「リア充」像となっていくに違いない。

NTTアド『先事新聞』編集長 小林勝司
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