調査・研究/発行物

目黒発 vol.26

SPECIAL REPORT
2010年、いま問われる 企業のブランディング
[新春特別対談]
COLUMN
映画で学ぶ広報・コミュニケーション力 第5回
M&A広報は情報戦
AD LETTER
市場調査と企業PR
SPECIAL REPORT
2010年、いま問われる 企業のブランディング

嶌 信彦氏 ジャーナリスト/白鷗大学 経営学部教授
小泉 眞人氏 東海大学 文学部広報メディア学科教授

進行:島田 実木雄 株式会社エヌ・ティ・ティ・アド コミュニケーションプランニング局 PR担当部長

デフレの昨今、価格破壊や効率化ばかりに注目が集まりやすい。
市場での価格競争も重要だが、企業が提供できる価値を明確に社会や市場に伝えていくことが疎かになっていないだろうか。低成長下の厳しい時代である今こそ、企業のコミュニケーションやブランディングが活きる好機ではないだろうか。2010年最初の「目黒発」は、新春特別対談として、ジャーナリストの嶌信彦氏、東海大学の小泉眞人氏をお招きした。今求められる企業のあり様から、取り組むべきコーポレートコミュニケーションまで幅広く語っていただいた。大きく変化する時代を乗り切り、未来へと羽ばたくために、真の企業ブランディングとは・・・・・・。

■「戦後4回目の地殻変動」。企業は、社会、経済、生活の激変に対応を
写真:嶌 信彦氏と小泉 眞人氏

—昨年は100年に一度の経済危機下のスタートで、最悪ともいえる状況でしたが、どのように総括されますか。

嶌 マクロ的に2009年は戦後4回目となる大きな「地殻変動」の年だったと思います。1回目は終戦の1945年、2回目は1ドル=360円が崩れたニクソンショックやオイルショックなどが続いた70年代。3回目は、冷戦が終わって社会主義陣営がグローバル社会に入ってきた90年頃です。そして、4回目は、いろいろなポイントが複合して変動が起こりました。100年に一度といわれる経済危機やG20など新興国の台頭、アメリカ初の黒人系大統領オバマ氏が登場し多民族国家時代が本格化してきたし、彼が提唱したグリーン・ニューディールによって、09年から本当の意味で環境問題が世界的なテーマになりました。社会や産業の変化に合わせて、人々のライフスタイルも多消費型から自然主義的な方向に移っている。あらゆるものが変化をした一年だったと思います。

小泉 企業活動と付随する広報活動という点から見ても、今までと性質が異なる変化が起きたと思います。たとえて言うなら、それまでは企業の強みであったものが弱みに転じてしまうほどの激変です。伝統があり信頼性が高いと思われていた企業であるが故に、いざ事故や事件が起きたときに、広報対応が不十分であると、社会や株主の「裏切られた」という意識がより強くなり、大きなイメージダウンにつながります。

逆にいえば、弱みが強みになる可能性もあるわけですが、今までと同じ感覚でいると2010年以降の変化に対応できないのは確実です。過去の成功体験を捨てる覚悟が求められた一年だったのではないでしょうか。

—これから日本の企業はどのように活動を進めていくべきでしょうか。

嶌 日本企業の技術はすばらしいものがあり、底力があるので絶対によみがえるはずです。ただ、どう変わっていくべきかという問題意識が大切だと思います。例えばトヨタは、80年代まで「販売のトヨタ」と言われ、クルマそのものの評価は必ずしも一番ではなかった。そのイメージを払拭するために21世紀を見据えた長期計画を掲げて大成功しました。トップ自らが課題を訴え、環境をテーマに製品開発を進めたのです。数年先の利益や企業イメージの向上だけを追うのではなく、「21世紀の社会のためにどういう製品をつくるべきか」というCSR的な発想を重視して、選択と集中を図ったわけです。

小泉 表層的な環境の変化も大事ですが、その背後にある本質的なものを見つけるために、立ち止まって考えないといけないわけですね。考え込むために立ち止まるのではなく、次に攻めるために立ち止まるという意識を持たないと本質を見失ってしまいます。選択と集中は、企業にとってこれからも大切になると思います。

■キーワードは「SOBRIO」。企業は自ら評価し、個性を明確に
写真:嶌 信彦氏
嶌 信彦(しま のぶひこ)
ジャーナリスト/白鷗大学 経営学部教授

1942年生まれ。67年慶應大学経済学部卒業。毎日新聞社入社、秋田支局勤務。71年、毎日新聞東京本社経済部勤務。87年、毎日新聞社退社、フリーとなる。現在、TBSテレビ「朝ズバッ!」(木曜 5:30)、BS-TBS「榊原・嶌のグローバルナビ」(土曜8:30)、TBSラジオ「嶌信彦のエネルギッシュトーク」(日曜23:00)・「ニュースズームアップ」(水曜7:00)にレギュラー出演中。先進国サミットの取材は26回に及ぶ。

—これからの企業ブランディングで留意すべきことは何でしょうか。

嶌 まず、企業の善し悪しを決める基準が大きく変わっていることを理解すべきです。70年代は「ビッグカンパニー」が評価され、企業ランキングも売上高で算出していました。それが、80年代もバブルが終わる頃、「エクセレントカンパニー」という言葉が出てきました。これは、単純な規模ではなく利益率を基準とする考え方です。それが、最近では「グッドカンパニー」になりました。ソーシャルにグッドであるという考え方です。

小泉 「強い企業」ではなく、「良い企業」という価値観ですね。

嶌 グッドカンパニーを考える上で、最近気になっている言葉にイタリア語の「SOBRIO(ソブリオ)」という単語があります。個性的でセンスがある、上質であるが決して派手ではないといったような意味で、内面から自然に良さが湧き出てくるといったイメージもあります。今の時代は、そういうものが企業にも求められているのではないでしょうか。日本語に当てはめるなら、「上質で品性のある企業」あたりでしょう。ただ単に儲かればいい、安くても儲かればいいというのは、これから淘汰されるように思います。これからは、企業が情報発信をする際に、利益が良い、大きい、といったことを誇示するのは控えるべきなのかもしれません。最近の若い女性を見ていると、必ずしもブランド品を買わなくなってきた。良い物で個性的なものを探すというスタイルになりつつあります。これまでのブランディングは、「世間が評価するから、私も評価する」というものでしたが、すでに「自分を軸にブランドを判断する」という時代になっているのではないでしょうか。

小泉 その通りだと思います。「強い企業」というのは、売上高や利益率など結局は他者に評価されたものです。対して、「良い企業」というのは、自分のものさしを持っているのです。アイデンティティや個性というものは他人(他社)と比較しても意味のないことです。良い企業であるためには、ビジョンと戦略が必要です。それには、自社にとって何が最も大切な考えなのか、自社のポリシーやメッセージが何であるかを明確にして、それをステークホルダーに分かりやすく伝えていく努力をつづけることが何よりも重要になるのです。良い企業を自己評価する手法とは、自社のブランディングそのものではないかと私は理解しています。「ブランドは、売るものではなく、育てるもの」という言葉もあります。例えば、子育てに教育ポリシーがあるように、ブランドを育てるためにも、それぞれの企業にポリシーが必要になるのです。

■「コミュニケーションの角度」を変える。認識のズレを修正し、ブランド再構築を
写真:小泉 眞人氏
小泉 眞人(こいずみ まさと)
東海大学 文学部広報メディア学科教授

1964年生まれ。88年早稲田大学商学部卒業。同大学院商学研究科を経て、93年東海大学文学部専任講師、98年同助教授、2006年同教授。02年「広告宣伝費の安定的支出が、企業業績に及ぼす影響」で広告学会賞(学術論文部門)を受賞。共著に『わかりやすい広告論』(八千代出版)、『新広告論』(日経広告研究所)など。

—企業の評価軸やブランディングが変化していく中で、昨今の企業をどのように見ていますか。

嶌 今の広告を見ていると、癒し、くつろぎ、のんびり、やすらぎ、ゆとりといった言葉がたくさん出てきます。これを因数分解すると、誠実、清潔、安全、安心、健康、環境といったキーワードが重要になっているように見えます。それを早くかぎ分けた企業が伸びているのだと思います。ユニ・チャームはその好例で、子どものオムツから介護用オムツに重点を置いた展開で海外にも販路を拡大しました。また、温水洗浄便座も世界で売れていますが、昔は特殊な製品というイメージがあったそうです。それが時代とともに感性が変わっていき、健康や清潔というメッセージを強調したことで負のイメージを払拭した。そのような「角度を変えるコミュニケーション」が求められているのではないかと思います。

—企業のコミュニケーションでは、自ら情報発信できるメディアであるネットが重要度を増しています。

小泉 自分で発信することの重要性はもちろん大切なことですが、それ以上に重要なことは、メディアとしての大きな責任が自社または自社サイトにかかってくるということを、企業が認識することです。1つのメディアを管理しているという責任感が広報パーソンにも求められると思います。今までメディアが背負ってきた責任を自らが背負うという自覚が大切です。広報の視点からみますと、企業サイトは、情報開示と説明責任において重要な役割を果たしていると思います。しかしながら、情報開示や説明責任が中途半端に終わっている企業が多いことも確かです。そして、自己評価、つまりブランディングをしていく上でも、サイトの重要性は、より増していくと思います。ただ、自己評価としてのブランドと他者評価としてのブランドが、必ずしも一致しないこともあると思います。いわゆるブランドのパーセプション・ギャップ(※)です。そのようなギャップを解消していくためにも、つねに自己評価と他者評価を両面からチェックする必要があると思います。それがブランド構築に大切なプロセスだと思います。

■広報パーソンに必要なのは、俯瞰・凝視の2つの視点と自社のあらゆる情報
写真:嶌 信彦氏

—これからの広報部、広報担当者に求められる素養について、ジャーナリズムの現場ならびに学問的立場からのご意見をそれぞれお聞かせください。

嶌 時代がどう変わっているか、アンテナをきちんと張って、外部の人々と付き合うことです。そして、企業のためを考えると、社長を外に出すことを徹底すべきだと思います。インタビューやテレビ、何でもいいので、露出させることが得策ではないでしょうか。

小泉 ご指摘の通りだと思います。やはり最高の広報パーソンは、企業のトップですから。

嶌 そして、広報部は社内でどういうことが起こっているか、すべてを把握していなければいけません。常務会や経営企画会議などに広報部の部長は必ず出席すべきです。記者の立場から言わせてもらうと、まず、それができている広報かどうかを判断します。自社のことを知らないなら、それならばと夜回りで社長を直接訪ねたり同業他社などから情報を集めます。広報は社内のことを熟知していると同時に、消費者動向など国内外の社会がどう変わっているかをトップに知らせていくことも必要でしょう。それがあって初めて、製品開発や宣伝の方法などすべての企業活動が有機的に動いていくという気がしています。

小泉 「木を見て森を見ず」ではなく、「木を見て森も見える」ことが求められると思います。社内外の大体のことを俯瞰的に見ると同時に、繊細な問題のひとつひとつを知るスーパーマンのような力を持たなければいけません。あくまで理想の姿ですが、木を見て森も見える人がいないと、企業が傾いてしまう時代になっているのです。

写真:小泉 眞人氏

—最後に、NTTグループへの提言ならびに叱咤激励をお願いいたします。

嶌 ユビキタス社会という言葉が何年も使われていますが、こういったシステムは、企業の力だけではなく、政治制度や社会環境が変わらないとうまく機能しません。本当に便利なシステムをつくるという雰囲気を先導するようなリーダーシップを発揮してほしいと思います。本当に社会のためになると思ったら、大胆にやっていいと思います。技術、情報などのあらゆる資産を持っているNTTグループだからこそできる社会への貢献を期待しています。

小泉 100年目を迎えた米国の自動車産業は、リーダー企業のGMが、厳しい状況になっています。同じ状況が日本でも起きないとはいえません。つまり、伝統ある産業の中でリーダー企業として君臨してきたNTTグループだからこそ危機意識を持つべきなのです。まさにいまが「進化」のときです。激変する厳しい環境でこそ、適応するために生物は進化してきました。企業も同じで、今進化のための創造的破壊を起こさないと、生き残ることはできないかも知れません。表層的な変化にとらわれず、社会や生活者が、NTTグループに何をもとめているのか、それを本質的な視点で再考してほしいのです。その再考の中で、必要なものを残し、不要なものを捨てていく努力をしてほしいと 思います。

写真:日本の「世界商品」力(集英社新書)
『日本の「世界商品」力』(集英社新書)
伝統・文化・匠の技術といった日本の持っている独自の「強み」が、日本再成長のエンジンとなりうることを、丁寧な取材と分析に基づいて提唱した一冊。
写真:わかりやすい広告論(八千代出版)
『わかりやすい広告論』(八千代出版)
研究者、実務家を対象に広告活動に関する基本的な知識や理論を解説した入門書。小泉氏は「広告の定義・分類・機能」、「広告予算と広告会計」の章を担当。

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『ハゲタカ』
2009年 日本 大森南朋 玉山鉄二 柴田恭兵 松田龍平

広報というと商品宣伝としての パブリシティといった商品広報が 注目されがちですが、企業の情報戦略機能としてもっと有効活用できるはずです。今回は企業買収をテーマとしたストーリーからその手法を分析してみます。

写真:石川 慶子氏

石川 慶子(いしかわ けいこ)
広報コンサルタント。有限会社シン代表。映画製作会社、PR会社を経て独立。企業広報支援の他、自治体や学校にもメディアトレーニングなどのサービスを提供。

■ネットも放送も使いこなせ

赤いハゲタカこと劉一華は、中国系巨大ファンドとして日本に乗り込む。大手自動車メーカー「アカマ」を買収するためである。この危機的状況の中でアカマ社は、日本人ハゲタカの異名を持つ鷲津に救済の依頼をすることに。

この映画は、NHK土曜ドラマ「ハゲタカ」(2007年)の4年後を描いた物語となっています。私自身は、2004年に小説『ハゲタカ』が刊行された直後に読み、M&Aにおける巧みな広報戦略に舌を巻きました。

「ハゲタカ」シリーズに一貫しているのは、メディアの特性を知り尽した情報戦略を取っている点です。今回の映画の中では、中国系ファンド所属の劉は、最初の記者会見で、自分が残留孤児であることを語り、記者とその背後にいる人々の感情に訴える戦略を立てています。この点は、冷徹な印象を最初に与えた鷲津よりも一枚上手といえます。

さらに、ネット動画を活用している点が注目ポイントです。テレビドラマ「ハゲタカ」では、記者発表会のタイミングや影響力のある経済テレビ番組を活用したオーソドックスなものでしたが、この鷲津の手法を全て体得していた劉は、鷲津の記者発表会直後にネット動画による放送で即座に対抗しました。

そう、すでにマスメディアだけを報道とする時代は終わりなのです。ネット動画を活用することでテレビや新聞報道以上の速報力と直接訴求をすることができる時代になったのです。

■情報は出しながらコントロールする
動機と情報戦略のバランスを図ることがポイント

 日本においてM&A時にネット動画を使う試みはすでに2005年にありました。ライブドアによるニッポン放送株取得の時です。この時のライブドアの情報発信量はすさまじいものでした。

動画配信は2月から3月までテレビ放送の形式で合計13本を集中的に行い、さらに、動画配信した内容の書き起こし版をPCと携帯端末用に用意し、特設ページも2本設置。これに対し、ニッポン放送とフジテレビ側の公式表明は、動画はおろか公式文書も皆無で、出てくるのはテレビ報道のぶらさがりコメントのみでした。戦略的情報発信により、当時の世論は確実にライブドア支持で形成されていきました。まさに、情報は出してこそコントロールできるものであることを物語った対決であったと思います。

しかし、ここにも落とし穴はあります。「動機」です。戦略・戦術で勝ったとしても動機で選別されて最後に負けてしまうこともあるのです。それはお金に対する認識ではないかと思います。

映画『ハゲタカ』の場合、同じハゲタカである鷲津と劉の違いは何であったのか。

劉は、派遣労働者である若者に希望を与えておきながら最後はその気持ちを踏みにじる行動に出て、破滅していきます。ひとたび自我が目覚めた者にとって踏みにじられた心はお金で解決できるものではありません。一方、鷲津は「腐った根性を叩きのめす」ためにお金を投じる道を選びます。どんなに完璧な戦略であっても動機やお金の使い方によっては惨めな最後を迎えることになるのでしょう。

情報戦テクニックを持つ私たち広報のプロは、戦略構築にあたっては常にその動機やお金の使い方に留意しなければならないといえそうです。

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市場調査と企業PR

株式会社エヌ・ティ・ティ・アド コミュニケーションプランニング局
PR担当部長 島田実木雄

現代のような複雑な消費生活社会においては、企業のマーケティング活動と市場調査は切っても切れない関係にあります。一口に市場調査といってもいくつかの視点があります。主なものとしては、商品・サービス開発を狙った市場ニーズ発見のための調査、競争戦略上必要となる情報を収集するための調査、広告・キャンペーン施策等の効果測定のための調査等があげられます。

PR活動においても市場調査データは非常に重要な素材となります。たとえば、自社の商品・サービスに関連する市場全体の動向や社会ニーズに関するデータは、ニュースリリースやニュースレターに添付することで、メデイア各社の興味・関心を引くことができます。記者の皆さんは、記事の客観性、信憑性や説得性等を確保し向上するために、その裏づけとなる「数字」を活用することが多いので、そこに各メディアの受け手の関心が高い社会的テーマに関する調査データを提供することで、関連する自社の商品・サービスを記事内に取り上げていただくチャンスが生まれます。情報の発信者・受信者・自社の3者における「三方よし」が成立するところです。特に、自社の商品・サービスに客観的な優位性や際立った特徴があるような場合には、非常に有利に働く戦術となります。

近年では、このようにストレートに記事露出を狙う手法に加えて、より戦略性を持って調査データをPRに活用する事例が見られます。その好個な事例として、本誌vol.21(2009年3月発行)でもご紹介したライオン株式会社様の「部屋干しトップ」のPR戦略があげられます。同社はまず、市場調査で、主婦の84%が「部屋干し」することがあり、部屋干しにつきものの「嫌なにおい」に関する問題を抱えている点等を把握しました。そこから、部屋干しで発生するにおいを抑えられる新商品を開発しました。そしてテレビCMの出稿等にあわせて、においの成分とそのメカニズムを解明したことや、そのにおい成分が「山羊乳のチーズにも含まれている」といった事実をニュースリリースで発信したところ、雑誌や新聞等で相次いで取り上げられました。こうして、洗濯用洗剤という超成熟市場において新しいマーケットを作り出した同社には、発売から7年が経過した時点でも、梅雨時には部屋干しに関する取材があるといいます。商品開発から上市後のPRに至るまで、市場調査データが効果的に活用された成功事例の一つです。

また、自社の新商品やサービスの上市前に、これに関連する調査データ等を積極的にリリースし、その受容性が高まるような「空気作り」をした上で、満を持して上市するという、多段階的なPR戦略の事例も増えてきています。

NTTグループ全体のハウスエージェンシーである当社では、1997年度より「デジコム調査」というオリジナル調査(「総合消費者調査」として開始。2005年度より改称)を継続的に実施しており、クライアント各社様のコミュニケーション戦略立案の支援に活用しております。このデジコム調査は、以下の概要で毎年1回、5000サンプルを超える全国型大規模調査施策として実施し、今年度で13年目を迎えました。

<デジコム調査の概要>

  • 1. 調査目的:通信利用に対する生活者意識と行動の基本特性を全国規模で把握し、当社のクライアントサービス活動に資する
  • 2. 調査地域:全国主要6都市(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡)
  • 3. 調査方法:郵送留置
  • 4. 対象者:15~65歳の男女
  • 5. 質問項目:通信コミュニケーションに関連する質問約90問(2009年度実施分実績)

質問項目例

  • ●通信会社各社の認知・イメージ
  • ●加入電話サービス(有線電話)の利用実態
  • ●携帯電話利用実態(所有キャリアや利用料金等の基礎的質問以外に、各種サービスの認知度・利用意向等を含む)
  • ●インターネット利用実態(回線、ISPの契約事業者等の基礎的質問以外に、契約時の情報源や選択時の重視点等を含む)
  • ●セキュリティやサポートサービスに関する利用実態・意向
  • ●モバイルデータ通信やソーシャル系サイト等、新しい通信サービスに関する利用実態・意向

回答者からは、基本属性(居住形態、未既婚、世帯収入、職業、視聴可能なテレビ放送サービス等)を取得していますので、上記の質問結果とのクロス集計によって回答者の属性毎にデータを分析することができます。 たとえば、以下のような分析結果の導出が可能です。

<具体的な分析例>

  • 1. 利用している通信サービス事業者別(インターネット回線、ISP、携帯電話)の、日頃よく見る情報源
  • 2. トレンドセッターが普段よく見る情報源(データは下グラフ参照)
  • 3. インターネット非利用者の行動特性
  • 4. 利用者評価に基づく、通信サービスブランドの強み・弱み分析
  • 5. インターネット早期採用者の購買行動特性
  • 6. コミュニケーション態度の違いによるターゲットの類型化
  • 7. 長期契約顧客の潜在的な不満項目の抽出
  • 8. 情報家電の潜在需要層のデモグラフィック特性

調査の詳細に関するご説明に関しましては、本誌編集担当または当社営業担当者までご連絡いただければと存じます。

当社は今後とも、クライアント各社様をはじめとした多様なステークホルダーの皆様に対して、より充実した コミュニケーションを続けていきたいと考えております。

グラフ:普段よく見る情報源
このコンテンツはNTTアドのPR誌『目黒発』第26号(2010年1月発行)からの転載です。
発行時から内容/見解/肩書などに変更のある可能性がございますので予めご了承下さい。

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