調査・研究/発行物

コラム「本当に効く広報対応術」

効果測定で社内の広報理解を深めるPart.2

佐藤 浩清(さとう ひろきよ) トラス プランニング代表
PRコンサルタント。元民放テレビ局記者。IT企業、金融機関の広報マネージャー職を経て、独立。IT企業等をクライアントに持つPRコンサルティング会社「トラス プランニング」代表。

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■他部署のデータ流用で効果測定
■社内全体で広報効果を理解できる基準を示す

■Check Point


■ 他部署のデータ流用で効果測定

裏付けデータで説得力を持たせることにより、経営層や他部門の広報意識改革を
裏付けデータで説得力を持たせることにより、経営層や他部門の広報意識改革を
  販促の効果測定は、実際の商品販売数を基に、広報活動の前後で数値などを比較・分析します。旧商品と新商品の発売時期で比較することもあります。効果測定のために仕掛けを新設するのは難しく(効果測定できない原因の一つでもある)、少しでも費用や手間をかけずにデータ収集するために販売部門など他部署のデータを流用します。
  幸いにもITの進展で、他部署の蓄積データだけで効果測定可能な場合が少なくありません。ネットや携帯電話のサービスではアクセスログを素早く取得できるため、メディアの効果が容易に把握できます(データはシステム部門などから)。商品販売数はレジPOSデータの詳細な値を使用します(同じく販売部門から)。一方、キャンペーン応募やユーザー登録の際に購入のきっかけをたずねるアンケートからは、効果測定の裏付けが得られます(同じく顧客サポート部門やマーケティング部門から)。

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■社内全体で広報効果を理解できる基準を示す

  IT企業の広報担当だった私のケースです。商材は最新版のPCソフト。それをユーザーに最も近い視聴者層の情報番組に露出させました(発売2か月後の時点)。結果、週間販売数が旧版商品の同期比で8000本増となりました(販売部門データ)。実際にユーザーアンケート(ユーザーサポート部門データ)では、媒体露出を端緒にした購入は通常10%以下ですが、この週の回答は90%近くに達しました。旧版商品の発売2か月目の週平均販売数は1000本ほどだったので、増加分の多くは露出した番組の視聴による効果であることが裏付けられました。ソフトは卸値で1本8000円ほどなので、番組露出で6400万円を売り上げた計算です。
   広報活動の全てを金額換算するのは適切とは言えませんが、全社的に最も効果が分かりやすいのは販売額や数量であるのも確かです。特に全社的な広報体制の確立を図る際には効果的です。重要なのは販売増の数字だけでなくユーザーアンケートで裏付けをとり、さらに説得力を持たせることです。上のケースでは、露出の成功で開発担当者が広報に積極的になったうえ、全社的にも広報がマーケティングの重要要素として扱われはじめ、経営会議などでも広報が議題になっていきました。
  企業広報活動の目的の一つは、媒体に載せることではなく、それによって生み出される効果(ブランド力向上、販売促進など)を得ることにあります。他部門にも分かりやすい効果を提示し続け、全社的に広報意識を変えていきましょう。

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■Check Point
(1)すでにある社内データの利用
(データ例:販売数量、売上額、ユーザーアンケートなど)
(2)各部門の協力とITの活用
データの裏付けで説得力をアップ  複数データを組み合わせて分析する
(3)効果測定の継続
分かりやすい効果測定の継続→全社の広報意識改善へ
字数の都合上、販促の例だけを紹介したが、例えばブランディングでは、自社サイトへのアクセス数や検索エンジンの検索ワードの増加数などが使えるほか、ネットを使ったアンケートなど以前より安価な方法でデータ収集が可能。もちろん、露出による社内の活性化など数値では表せない活動や効果もある。どのような広報活動においても、常に目的を明確に意識して実施することが肝要だ。



このコンテンツはNTTアドのPR誌『目黒発』第13号(2007年11月発行)からの転載です。
発行時から内容/見解/肩書などに変更のある可能性がございますので予めご了承下さい。
このコンテンツはNTTアドのPR誌『目黒発』第13号(2007年11月発行)からの転載です。
発行時から内容/見解/肩書などに変更のある可能性がございますので予めご了承下さい。

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