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コラム「本当に効く広報対応術」

効果測定で社内の広報理解を深める Part.1

佐藤 浩清(さとう ひろきよ) トラス プランニング代表
PRコンサルタント。元民放テレビ局記者。IT企業、金融機関の広報マネージャー職を経て、独立。IT企業等をクライアントに持つPRコンサルティング会社「トラス プランニング」代表。

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■コミュニケーション活動は目的を常に意識する -露出は最終目的ではない
■社内全体で広報効果を理解できる基準を示す

■Check Point


■コミュニケーション活動は目的を常に意識する -露出は最終目的ではない

露出に成功した上で、それをどれだけ売り上げなどの「成果」につなげられるか-
露出に成功した上で、それをどれだけ売り上げなどの「成果」につなげられるか-
 広報活動の主目的は何でしょうか? メディア露出を獲得することでしょうか?
 当然ながら、露出は最終目的ではありません。知名度向上、商品の売り上げ増、株価への貢献、社内に対しては告知や情報共有などが企業広報の主な使命に挙げられます。こうした最終的な目的を常に意識することが、企業広報を含むコミュニケーション活動では重要です。
 しかし、頭では理解していても、メディア露出だけを念頭においた振る舞いが、広報担当者や経営陣などに見られるケースが少なくありません。こうした誤解は、広報の効果測定の難しさが要因といえるでしょう。広報の効果測定は全ての広報パーソンにとって悩みのタネと言われます。クリッピングや記事数、広告換算といった「露出」は分かりやすく、経営陣などへの報告にも多用されます。ただし、露出件数が多いからといって目的が達成されたのかどうかは分かりません。数値だけにとらわれる危険もありますし、事業部門など他部署からすれば、客観性に欠けた広報の自己満足に過ぎないと受け止められてしまう恐れもあります。つまり、社内に理解されるためには、露出数に加え、認知度や売り上げへの具体的な貢献実績を示す必要があるのです。

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■社内全体で広報効果を理解できる基準を示す

 具体的な貢献実績を示すとは、広報活動をする前後の差異を、具体的かつ客観的な数値を用いて表すことです。つまり掲載数など、広報領域の評価実績(基準)ではなく、全社で評価される実績に置き換えて伝えるのです。例えば、売り上げへの貢献であれば、販売増加数や増加率で示さなければなりません。加えて、広報活動以外の外的環境が同じような時期と比較するなどの工夫をし、数字が広報の効果によって生み出されたものと分かる測定をする必要があります。こうした準備によって、他部門に対し広報効果を理解できる基準が示されれば、広報部門への対応もより協力的になっていくでしょう。また効果測定を続けることで、それぞれのメディアの特徴や影響度も経験値として蓄積されていきます。
 広報活動への理解を促進する社内環境整備の第一歩は、効果測定と報告体制の整備といっても過言ではありません。効果測定の仕組みの構築は難度の高い広報課題ですが、次回のコラムでは、事例をまじえて具体的な測定手法を紹介します。

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■Check Point
(1)露出が目的ではない
自社広報活動の目的を広報部門内や経営層と再確認する。販売増を狙うのか、ブランド構築なのか、意識の統一を。
(2)効果測定方法を整備する
(具体的手法は次号掲載)
(3)効果は数値で示す
売り上げ数、増加率、認知度、好意度など他部署と同じ基準(数値)で成果を示す。
(4)効果を示す→広報への理解→社内環境改善
全社的に広報への理解、協力を得られれば、積極的な対外的広報につながる。
このコンテンツはNTTアドのPR誌『目黒発』第12号(2007年9月発行)からの転載です。
発行時から内容/見解/肩書などに変更のある可能性がございますので予めご了承下さい。

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