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空気読本vol.19

7つのスポーツクラスター × テクノロジーが、
ニッポンの2020年を熱くする!?

~ 東京オリンピック・パラリンピックとテクノロジーに関するオリジナル調査 ~

東京2020大会開催まであと3年。国内のスポーツ産業は活気を帯びており、とりわけ、テクノロジー産業との融合が新たなビジネスマッチングを生むキーファクターとなりつつある。今後、トレンドが先行する米国の影響もあり、スポーツを「観る」「する」体験価値は、テクノロジーによってドラスティックに変化していくに違いない。今号のNTTアド『空気読本』では、スポーツに関心のある生活者を対象に、クラスター分析を実施するとともに、スポーツテクノロジーの受容性をはかり、東京2020大会といかなる向き合い方をするのか検証する。

Chapter1
スポーツを「観る」「する」楽しみは、
テクノロジーによって拡張する

東京オリンピック・パラリンピック開催が決まり、ニッポンのスポーツ産業は活性化

今、国内のスポーツ産業は、東京2020大会開催に向けて活気を帯びている。『レジャー白書2016(公益財団法人日本生産性本部)』によると、バブル経済が崩壊して以降、スポーツ部門の市場規模は縮小傾向にあったが、オリンピックの開催が決まって以降は持ち直しており、2015年は前年比で1.9%増と回復基調が鮮明となった。スポーツ用品の消費に関しては、スポーツシューズ、ウェア、スポーツ自転車が好調で、松山選手や錦織選手の活躍もあり、ゴルフ用品、テニス用品もプラスに転じている。スポーツ関連施設の消費に関しては、近年の健康ブームにより、フィットネスクラブは過去最高の市場規模を更新し、苦戦の続いていたゴルフ練習場やボウリング場、スキー場も回復傾向にある。また、スポーツ観戦の売上に関しても、前年比で5.4%も増加しており、プロ野球は、12球団中8球団の観客動員数が球団新記録または実数公開後最多記録を達成、Jリーグも、J1、J2、J3の合計入場者数が初めて900万人を突破した。

英国のスポーツ関連市場を見ると、2012年のロンドンオリンピックによる経済効果が顕著であり、日本のスポーツ産業にとっても、東京2020大会が、飛躍的な成長を遂げる年になると予測される。中でも、スポーツ産業とテクノロジー産業の融合による新たなビジネスの創出は、飛躍的な成長のキーファクターになるかもしれない。

「米国と国内で急速に進むスポーツとテクノロジーの融合

スポーツの「観る」「する」楽しみを拡張していくドライバーの一つが、テクノロジーである。何故なら、トレンドが先行する米国においては、既にスポーツと最新テクノロジーの融合が加速しており、我が国においても、経済産業省とスポーツ庁が中心となり、官民をあげてスポーツ分野の産業競争力強化を推進しているからだ。

最新のスポーツテクノロジー事情に詳しいジャーナリストの渡辺史敏氏によると、米国では今、「観る」スポーツにおける最新テクノロジーの融合が急速に進んでいるのだと言う。とりわけ、VR(仮想現実)とスポーツ観戦との融合が注目されており、昨年のNFL「スーパーボウル」開催時には、スタジアム周辺の国際展示場にVR観戦体験ブースが設けられ大いに盛り上がった。観戦者は、ゴーグル型のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着すると、まるでスタジアムやフィールド内にいるかのような臨場感を味わえるのだ。さらに米国では、マイクロソフト社が開発した「ホロレンズ」が話題を呼んでいる。ゴーグル型デバイス「ホロレンズ」を装着しスポーツ観戦すると、3Dの試合フィールドが目の前に広がるだけでなく、選手の走る速度や心拍数など、リアルタイムのデータが立体的に表示され、VRとAR(拡張現実)が融合したMR(複合現実)の世界を体感できる。今後、こうした最新テクノロジーを活かした、新しいカスタマーエクスペリエンスが次々と生み出されていくだろう。

また、「する」スポーツにおけるテクノロジーの活用も、官民をあげた取り組みが進んでいる。例えば、NTTと東レが共同開発した機能繊維素材「hitoe(ヒトエ)」は、そのウェアを着用すれば、心拍数や心電波形といった生体情報を計測でき、さらに、スマートフォンに転送・蓄積することで、より効果的なトレーニング設計が可能となる。その他にも、AIや3D映像を活用することで、高度化・複雑化した選手の動きの判定が容易になるなど、最新テクノロジーによって、スポーツを「する」楽しみがますます拡張されていくことだろう。

米国や国内で加速しつつあるスポーツとテクノロジーの融合。果たして、国内の生活者におけるスポーツテクノロジーの受容性の実態はどのような状況なのだろうか。そして、生活者は、3年後の東京2020大会をどのように楽しむのだろうか。