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Chapter2
7つのスポーツクラスターは、
2020年をどうエンジョイする?(後篇)

オリンピックとスポーツへの意識が異なる7つのタイプとは(クラスター分析)

東京2020大会・スポーツの楽しみ方は、個人の意識によって異なるもの。そこで、オリンピックやスポーツの楽しみ方や意識に関する設問に基づき、クラスター分析(※似たような志向性を持つ人をグループ化する分析手法)を行った結果、7つのグループに分類できることが分かった。 それぞれの特徴は以下のとおり。

*スポーツ「観る」「する」関心度・2020年東京五輪期待度は各5段階のTop2Box計全体±5pt以上にハッチング

7つのタイプの人々は、
テクノロジーを活かして東京2020大会をどうエンジョイしているだろうか?

オリンピックとスポーツへの意識が異なる7つのタイプ。では、彼らは東京2020大会をどのように楽しむのだろうか。先述の「最新技術を活用した観戦方法・楽しみ方」に関する受容性を各タイプごとに分析し、それぞれの楽しみ方の可能性をまとめた。

①スポーツLOVER

スポーツLOVER

「スポーツLOVER」はテクノロジーを活かしたスポーツの「観る」「する」全ての項目で受容性が高く、スポーツとテクノロジーの融合について、トレンドを牽引する可能性が高い。

※ 以降、枠内のデータは、全体よりも高い上位項目で括弧内は全体との差

東京2020大会を観るために試してみたい最新技術を活かした視聴方法

  • ①ボールにカメラが埋め込まれていて、ボール視点で試合が観られる 62.0%(+28.9pt)
  • ②スタジアム等で試合を観ながら、リアルタイムで選手情報やリプレイ映像がスマホで観られる 65.9%(+28.6pt)
  • ③5Gなどの高速通信によって、どこでもスマホなどで高解像度映像が観られる 60.1%(+28.5pt)
  • ④VRのヘッドセットをつけて、プロ選手と擬似的に対戦できる 56.3%(+28.1pt)
  • ⑤スタジアム等で試合を観ながら、リアルタイムで選手情報やリプレイがメガネ型の透過性情報端末で観られる 59.1%(+28.1pt)

試してみたい最新技術を活かしたスポーツの楽しみ方・トレーニング方法

  • ①VRのヘッドセットを使ったもの同士で対戦するスポーツが楽しめる 61.1%(+31.3pt)
  • ②センサー内蔵ボールで、自分のシュートの角度・強度などが確認できる 59.1%(28.3pt)
  • ③ボルダリングにARを組み合わせて、陣取り合戦や壁面に絵を描ける等ゲーム性を高めて楽しめる 53.4%(+27.0pt)

スタジアムでのスポーツ観戦を好む彼らは( 67.3%)、試合を見ながらスマホを活用し、リアルタイムで選手情報やリプレイ映像を楽しみたいと感じている。また、インドアにおいては、VRを活用したスポーツ観戦への意向度も高い。Chapter1でも触れたように、既に米国では、先行してスポーツ観戦においてVRの活用が進んでおり、FOXSportsは、全米オープンゴルフをVRライブ配信したり、 NBAも週1試合、VRライブ配信しており、こうした流れが日本のプロスポーツ界へも波及しつつある。東京五輪で、こうしたVRスポーツ観戦を最も受容しているのは彼らに違いない。

スポーツを「する」テクノロジーに関しては、「VRヘッドセットを使ったもの同士で対戦するスポーツが楽しめる」ことへの意向度が高い。昨年からVRを楽しめる娯楽施設が続々とオープンしており、実際に歩きながらVR空間を動き回ることが可能なコンテンツもある。先日オープンした「VR ZONE SHINJUKU」は、サイクリングやフィッシングの要素を取り入れたコンテンツなど、実際にカラダを動かすものもある。“VR空間でスポーツ”という新たな体験価値は、今後ますます活性化していくであろう。

今年7月にオープンした「VR ZONE SHINJUKU」

②みんなでワイワイ派

みんなでワイワイ派

家族など身近な人たちとワイワイ騒ぎながらスポーツ観戦したい「みんなでワイワイ派」は、 「AI審判によるミスジャッジのない試合」や「選手の凄さが観られる撮影/データ解析技術」への意向度が高い。彼らは、ミスジャッジで気分が盛り下がることを防いでくれたり、選手の凄さをみんなで共有できるようにしてくれるといった「みんなで盛り上がれるテクノロジー」への関心が高い。

2020年東京五輪を観るために試してみたい最新技術を活かした視聴方法

  • ①人工知能を活用した審判によってミスジャッジのない試合・競技が観られる 59.0%(+13.5pt)
  • ②新しい撮影/データ解析技術を使い、これまで速すぎて観られなかった選手の動きが観られる 53.8%(+7.2pt)

彼らは、自宅でもスタジアムでもみんなで盛り上がりたいタイプであるが、「実際にスタジアム・競技場で観たい」意識も高く(53.0%)、所謂、「スマートスタジアム」のサービスを積極的に享受していく存在と考えられる。米国のスマートスタジアムでは、ハッシュタグを使ってInstagram等へ投稿した観客の写真をサイネージに映したり、「UberTAILGATE(Uberでの送迎とスタジアムでBBQを楽しめるスペース/器材を提供するサービス)」のようにスマホアプリと連動したサービスなど、よりみんなで盛り上がるための付加価値競争が激化しており、今後、こうしたトレンドに敏感に反応するのは彼らと考えられる。

さらに、メガネ型情報端末を通じたARによる選手の動きの視聴や、今年、米国で開催された「NFLスーパーボウル」のように、LEDライトを搭載した大量のドローンを夜空に飛ばす演出など、みんなが“アガる“体験は、彼らのニーズにマッチすると思われる。

③観るよりする派

観るよりする派

テクノロジーの受容性は全般的に高くはないが、スポーツを「する」方に積極的な彼らは、スポーツ時の自分の動きを分析し、トレーニングの精度を高めるテクノロジーへの意向が見られた。

トレーニングの精度を高めるといえば、プロ野球の東北楽天イーグルスは、投手の動作の特徴や球筋、バッティングのタイミングを確認するため、VRを活用したNTTデータのトレーニングシステムを採用しはじめた。今後、オリンピック選手が最新テクノロジーを活用したトレーニングを採用することで、東京2020大会ではこれまでの限界を超えた記録が次々と生みだされる可能性が高い。

④ひとりでじっくり派

ひとりでじっくり派

「ひとりでじっくり派」は、「人工知能を活用した審判によってミスジャッジのない試合」への意向度が高い。ご存じの通り、テニスのウィンブルドンでは、誤審を減らすべく、既に電子審判テクノロジー「ホークアイ」が活用されているが、東京2020大会では、こうしたテクノロジーがさらなる進化を遂げていることは間違いない。また、彼らは、「新しい撮影/データ解析技術」「決定的な瞬間を高解像度で360°、好きな視点から見られる映像技術」への意向度も高く、斬新な映像でスポーツを楽しみたいと感じている。

東京2020大会を観るために試してみたい最新技術を活かした視聴方法

  • ①人工知能を活用した審判によってミスジャッジのない試合・競技が観られる 56.2%(+10.7pt)
  • ②新しい撮影/データ解析技術を使い、これまで速すぎて観られなかった選手の動きが観られる 52.9%(+6.2pt)
  • ③決定的な瞬間など、高解像度映像で360度自由な視点で観られる 54.5% (+6.1pt)

360°見渡せるリプレイ画像により、自宅にいながら自ら試合に参加しているかのような気分が味わえるとともに、審判の視点でプレイが観られるようになれば、まるで自分がジャッジを下しているかのような疑似体験を楽しめるようになるだろう。

⑤とりあえず観とく派

とりあえず観とく派

「とりあえず観とく派」は、サッカー日本代表戦やWBCなどのビッグゲームだけはおさえておきたいという、所謂、マス層。東京2020大会も日本人選手が活躍できそうな、野球/ソフトボール、水泳、体操などを中心とした視聴となる可能性が高い。テクノロジーを活かした観戦手法にはさほど関心は無く、今後も視聴意識はあまり変化しないであろう。しかしながら、東京2020大会を契機に様々なテクノロジーを目にすることで、一気に利用を拡大させる可能性があるフォロワー層だ。

⑥がちサポーター

がちサポーター

プロ野球やJリーグなど、特定のチームの熱心なファンである「がちサポーター」は、スポーツを「観る」ことへの関心はかなり高いものの、東京2020大会への期待度は低い。一方で、スタジアムでスマホを使い、リアルタイムに選手情報やリプレイ映像を楽しみ、仲間と情報共有したいという意向度は強い。

東京2020大会を観るために試してみたい最新技術を活かした視聴方法

  • ①スタジアム等で試合を観ながら、リアルタイムで選手情報やリプレイ映像がスマホで観られる 52.4%(+15.1pt)
  • ②5Gなどの高速通信によって、どこでもスマホなどで高解像度映像が観られる 39.7%(+8.1pt)
  • ③選手の運動量や心拍数などのコンディションの情報がリアルタイムで観られる 33.3%(+7.5pt)

プロスポーツ観戦を好み、ストリーミング配信サービスのスポナビライブやDAZNの利用率が高い彼らであるが、既にJリーグ・大宮アルディージャの「NACK5スタジアム大宮」で実証実験が行われた高精細な動画が一斉にスタジアムで観られるWi-Fiマルチキャスト技術など、スタジアムでのリアルタイムな観戦の楽しみを広げてくれる映像や仲間との情報共有に関するテクノロジーを積極的に活用していく層だ。

⑦ウェルネス実践派

ウェルネス実践派

東京2020大会に対する期待値もテクノロジーに対する受容性も低い「ウェルネス実践派」は、「オリンピックを観るのはテレビで十分」という意識が7タイプ中で最も高い。既に「VR Cycle」というVRをエアロバイクに応用したサービスや、昨年9月に東京・六本木のフィットネスジム「THE BODY RIDE」が導入したVRフィットネスマシン「ICAROS」などが人気であり、ヨガやフィットネスを好む彼らは、ゲーム感覚でトレーニングを楽しみながらVR等のテクノロジーを受容していくだろう。

7つのクラスターのポジショニングマップ

東京2020大会に向け、7つのスポーツクラスターは、こんなスポーツテクノロジーを楽しみ方をしているかもしれない。

7つのクラスターのポジショニングマップ