インターネットの普及により、パソコンや携帯電話を通じて「噂」が飛躍的に速く広く拡散するようになった。かつては少数の友人同士の噂話として語られていたような内容が、転送機能や一斉配信機能によって多人数の知人に送信されている。また、根拠のない推測話がネット掲示板や個人ブログに書き込まれ、不特定多数の目に触れることもある。
噂にはプラス・マイナス両方の側面がある。プラスの側面を活用し、ポジティブな内容の噂だけを意図的に流す方法が「口コミ・マーケティング」で、今やプロモーションの一方法となりつつある。主婦や女子学生を「モニター」として登録し、試供品や新商品情報を送付して意見を聞いたり、知人に商品を紹介してもらったりする方法であり、ネットを活用した双方向コミュニケーションなら、企業側の通信費もそれほどかからないし、情報の受け手にとって、「友人の体験談」はテレビCMや店員の勧誘より地味だが信憑性が高い。
これと同じ効果がネガティブに発揮されるのが「風評」である。特に近年は、「あの会社は危ないらしい」「会計処理に不正があるらしい」など、ネットの中で企業を誹謗中傷する書き込みが後を絶たない。「噂がある」という事実をマスコミが取り上げることも多い。
もちろん「風説の流布」は証券取引法で禁じられている。しかし、株価の動きと噂の因果関係と、噂の流布に株価を変動させる目的があったかどうかが立証されなければならないため、証券取引等監視委員会に調査を依頼しても刑事告発に至ることはほとんどない。 |